タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

エドワード・ケアリー/古屋美登里訳「肺都~アイアマンガー三部作(3)」(東京創元社)-『堆塵館』、『穢れの町』と続いてきたアイアマンガーの物語がついに完結!クロッドは、ルーシーは、ビナディットは。彼らの運命はどうなってしまうのか?とにかく凄い!すごい!スゴイ!

肺都(アイアマンガー三部作3) (アイアマンガー三部作 3) posted with ヨメレバ エドワード・ケアリー 東京創元社 2017-12-20 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す ついに、エドワード・ケアリーの『アイアマンガー三部作…

パク・ミンギュ/斎藤真理子訳「三美スーパースターズ~最後のファンクラブ」(晶文社)-ラスト50ページに素敵な物語が待ち受けている。感動とユーモアが描き出す負け組たちの素晴らしき生き様。

三美スーパースターズ 最後のファンクラブ (韓国文学のオクリモノ) posted with ヨメレバ パク ミンギュ 晶文社 2017-11-13 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 275ページからの主人公とソンフンの会話で涙が溢れた。 パ…

ケン・セント・アンドレほか/安田均編「ミッション:インプポッシブル~トンネルズ&トロールズ・アンソロジー」(書苑新社)-#はじめての海外文学 応援読書会参加レビュー。剣と魔法の世界を舞台に繰り広げられる異世界RPGアンソロジー

ミッション:インプポッシブル(トンネルズ&トロールズ・アンソロジー) (TH Literature SERIES) posted with ヨメレバ ケン・セント・アンドレ 書苑新社 2017-05-12 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 「ミッション:イン…

河田桟「馬語手帖~ウマと話そう」(カディブックス)-マジメに馬と話すための本

馬語手帖―ウマと話そう posted with ヨメレバ 河田 桟 カディブックス 2012-01-15 Amazonで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 「馬と話ができたらな〜」 そんなことを考えたことがある人がどのくらいいるのかはわからないが、いろいろな事情で馬と…

北野勇作「水から水まで」(惑星と口笛ブックス)−摩訶不思議な世界を映し出す9つの物語

水から水まで (シングルカット) 作者: 北野勇作 出版社/メーカー: 惑星と口笛ブックス 発売日: 2017/11/04 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 北野勇作「水から水まで」は、「水」からはじまって「水」に至る9つの掌編で構成されている。 ひと…

【イベント】はじめての海外文学スペシャルイベントに参加しました!

11月から各地の書店で順次スタートしている『はじめての海外文学vol.3』フェア。そのフェアと連動したスペシャルなイベントが、12月17日(日)に開催されました。 私も、『はじめての海外文学vol.3』フェアを応援するオンライン読書会を書評コミュニティサイ…

フランシス・ハーディング/児玉敦子訳「嘘の木」(東京創元社)-読み始めたらやめられない!ノンストップ・エンターテインメント小説!!

嘘の木 posted with ヨメレバ フランシス・ハーディング 東京創元社 2017-10-21 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す とにかくやたらと評判がいい。 フランシス・ハーディング「嘘の木」のことだ。プロの作家、翻訳家、書…

フランチェスカ・リア・ブロック/金原瑞人訳「“少女神”第9号」(筑摩書房)−なぜ今までこの作家の作品を読んでこなかったのか!と遅まきながらリア・ブロックの魅力にハマっている。

“少女神”第9号 (ちくま文庫) posted with ヨメレバ フランチェスカ・リア ブロック 筑摩書房 2015-02-09 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す なぜ今までこの作家の作品を読んでこなかったのか! 10月のやまねこ翻訳クラ…

イベント参加:夜を灯す本のおはなし(tsugubooks✕夏葉社・島田潤一郎)〜ヘンリー・スコット・ホランド/高橋和枝・絵「さよならのあとで」

先日「夜を灯す本のおはなし」というイベントに参加してきた。会場は、国分寺にある胡桃堂喫茶店。会場には、近隣の方々ばかりでなく神奈川や山梨から参加した方もあったそうだ。 kurumido2017.jp 「夜を灯す本のおはなし」は、会社勤めをしながら本を届ける…

ジョン・アガート作、ニール・パッカー画/金原瑞人訳「わたしの名前は「本」」(フィルムアート社)-『本』が語る『本』の歴史。まるで冒険小説を読んでいるようなワクワクが味わえる一冊

わたしの名前は「本」 posted with ヨメレバ ジョン・アガード フィルムアート社 2017-11-25 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す ※こちらは、フィルムアート社の読者ゲラモニター募集に当選して、いただいたゲラを読んで…

久禮亮太「スリップの技法」(苦楽堂)−“スリップ”とは本に挟まっている細長い紙のこと。書店員として培ったノウハウは、書店だけでなく他のビジネスでも通用すると思う。

スリップの技法 posted with ヨメレバ 久禮 亮太 苦楽堂 2017-10-01 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 新刊書には、書名や出版社名などが書かれた“スリップ”という細長い紙が挟まっています。ひと昔前までは、書店で本…

パスカル・キニャール/高橋啓訳「世界のすべての朝は」(伽鹿舎)-言葉にできない想いを音に乗せて届けたい

m.kaji-ka.jp 九州を『本の島』にしたい、として活動している熊本の出版社・伽鹿舎。過去に、フランソワ・ルロール「幸せはどこにある」、レーモン・ルーセル「抄訳アフリカの印象」と、〈伽鹿舎QUINOAZ〉シリーズの作品を読んできた。本書「世界のすべての…

山高登「東京の編集者~山高登さんに話を聞く」(夏葉社)-91歳の版画家が語る新潮社編集者時代の貴重な作家たちとの記憶

東京の編集者―山高登さんに話を聞く posted with ヨメレバ 山高 登 夏葉社 2017-05-01 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 山高登さんは、大正15年生まれで今年(2017年)に91歳となる木版画家です。 私は、そもそも美術…

ガエル・ファイユ/加藤かおり訳「ちいさな国で」(早川書房)-アフリカのちいさな国で起きた民族同士の対立。荒廃していく国と崩壊していく家族。

ちいさな国で posted with ヨメレバ ガエル・ファイユ,Gaël Faye 早川書房 2017-06-08 Amazonで購入 Kindleで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す アフリカ大陸の中央からやや南東に寄ったところに〈ブルンジ共和国〉というちいさ…

ブノワ・デュトゥールトゥル/赤星絵里訳「幼女と煙草」(早川書房)-行き過ぎた社会を痛烈に皮肉った背筋の寒くなるブラック・ユーモア小説

幼女と煙草 posted with ヨメレバ ブノワ・デュトゥールトゥル 早川書房 2009-10-09 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す はじめは面白く読んでいた。それが、話はドンドンと進むに連れて背筋をスーッと冷たいものが走り…

本田創/高山英男/吉村生/三土たつお「はじめての暗渠散歩~水のない水辺を歩く」(筑摩書房)-4人の暗渠マニアが『暗渠』の魅力を語り尽くす!初心者を暗渠の世界へ誘います!

はじめての暗渠散歩: 水のない水辺をあるく (ちくま文庫) posted with ヨメレバ 本田 創,高山 英男,吉村 生,三土 たつお 筑摩書房 2017-11-09 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 9月に、ブックポート大崎ブライトタワー…

西崎憲編集「たべるのがおそいvol.4」(書肆侃侃房)-オススメは、宮内悠介「ディレイ・エフェクト」、木下古栗「人には住めぬ地球になるまで」、そして「特集・わたしのガイドブック」

文学ムック たべるのがおそい vol.4 posted with ヨメレバ 木下 古栗,古谷田 奈月,町田 康,宮内 悠介,澤田 瞳子,谷崎 由依,山崎 まどか,山田 航,辻山 良雄,都甲 幸治,皆川 博子,伊舎堂 仁,國森 晴野,染野 太朗,野口 あや子,アルフォンス・アレー,マルセル・…

フランチェスカ・リア・ブロック/金原瑞人・田中亜希子訳「ひかりのあめ」(主婦の友社)-#やまねこ20周年 ゆっくりと漂うように描かれるレックスとマリーナの関係。それは許されない禁断の関係。

ひかりのあめ posted with ヨメレバ フランチェスカ・リア ブロック 主婦の友社 2004-09-01 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 先日、丸善丸の内本店で開催された〈やまねこ翻訳クラブ〉の20周年記念イベント「金原瑞人…

キャスリーン・クルル文、ピーター・マローン絵/宮坂宏美訳「なぜカツラは大きくなったのか?~髪型の歴史えほん」(あすなろ書房)-祝! #やまねこ20周年 はカツラ祭り!? 「このハゲェー!」なんて言わないで。カツラと髪型を巡るあれこれがてんこ盛りです!

なぜカツラは大きくなったのか?―髪型の歴史えほん posted with ヨメレバ キャスリーン クルル あすなろ書房 2012-04-01 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す なにやら巻き込まれた感が拭えない(笑)。 「発足20周年を迎…

村山早紀「百貨の魔法」(ポプラ社)-人はなにかを失う。家族、親友、そして夢。でも、何かを失くしたことで見つかるものがある。それはきっと、星野百貨店にある。

百貨の魔法 posted with ヨメレバ 村山 早紀 ポプラ社 2017-10-05 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 「とても素敵な物語を読んだ」 村山早紀「百貨の魔法」を読み終えて、まずそう思った。 創業50周年を迎える星野百貨…

リチャード・マグワイア/大久保譲訳「HERE(ヒア)」(国書刊行会)-固定された視点から見えるもの。時代の流れ、変わりゆく風景、家族の歴史。

HERE ヒア posted with ヨメレバ リチャード・マグワイア 国書刊行会 2016-11-08 Amazonで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 見開きページに描かれているのは、とあるリビングルーム。窓際に置かれたソファと壁には暖炉がある。ページの左上には〈2…

アンドルー・ラング/ないとうふみこ訳「夢と幽霊の書」(作品社)-19世紀末ロンドンで設立された心霊現象研究協会メンバーの著者が集めた様々な幽霊譚。ロンドン留学中の夏目漱石も愛読したという古典が120年を経て本邦初訳!

夢と幽霊の書 posted with ヨメレバ アンドルー・ラング 作品社 2017-08-22 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す ルイス・キャロル、コナン・ドイルらが所属した心霊現象研究協会の会長による幽霊譚の古典、ロンドン留学…

生藤由美絵・文「スイーツこねこ」(河出書房新社)-ねこたちのあの習性にはこんなあま~い秘密があったのです

スイーツこねこ posted with ヨメレバ 生藤 由美 河出書房新社 2016-11-29 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 東京・谷中にある〈ひるねこBOOKS〉で、2017年9月22日~10月5日に開催されていた「『スイーツこねこ』原画…

ちばかおり「ハイジが生まれた日~テレビアニメの金字塔を築いた人々」(岩波書店)-日本のアニメが世界のトップを走る原点がここにある。しかし、その代償も大きいと感じた。

ハイジが生まれた日――テレビアニメの金字塔を築いた人々 posted with ヨメレバ ちば かおり 岩波書店 2017-01-27 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 以前、テレビで海外の方々に「日本が好きか、嫌いか」をインタビュー…

内田百閒「私の『漱石』と『龍之介』」(筑摩書房)ー漱石と龍之介に対する百閒の愛情と哀悼と哀惜

私の「漱石」と「龍之介」 (ちくま文庫) posted with ヨメレバ 内田 百けん 筑摩書房 1993-08-01 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 9月にブックポート大崎ブライトタワー店で開催された #棚マル この本に惚れました!…

パトリック・ジュースキント著・ジャン=ジャック・サンペ絵/池内紀訳「ゾマーさんのこと」(文藝春秋)-ぼくがまだ木のぼりをしていた頃の話~少年のたくさんの思い出と成長と、そしてゾマーさんのこと

ゾマーさんのこと posted with ヨメレバ パトリック ジュースキント 文藝春秋 1992-11 Amazonで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 私が「ゾマーさんのこと」を読み返すのは、たぶん20年以上ぶりです。当時の本は手元になく絶版で書店等での入手も困…

宮沢賢治/東雅夫編「可愛い黒い悪魔~宮沢賢治怪異小品集」(平凡社)-賢治が誘う妖かしの世界へようこそ

可愛い黒い幽霊: 賢治怪異小品集 (平凡社ライブラリー) posted with ヨメレバ 宮沢 賢治 平凡社 2014-07-10 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 e-honで購入 賢治は、わたしたちには見えないものが見えるのです。 賢治は、わたしたちには聞こえない音が聞こえ…

宮田昇「昭和の翻訳出版事件簿」(創元社)-戦前、戦中、そして戦後。長く日本の翻訳出版に携わってきた著者が記す様々な事件に興味が尽きない

昭和の翻訳出版事件簿 posted with ヨメレバ 宮田 昇 創元社 2017-08-03 Amazonで購入 Kindleで購入 楽天ブックスで購入 楽天koboで購入 hontoで購入 e-honで購入 最近、翻訳小説ばかり読んでいる気がする。本を読むこと全般が好きで、特にジャンルのこだわ…

白央篤司「にっぽんのおにぎり」(理論社)-ニッポン全国、にぎってにぎって47都道府県。意外?納得?不満?あなたの故郷のおにぎりはなんですか?

にっぽんのおにぎり posted with ヨメレバ 白央 篤司 理論社 2015-06-23 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 まずお断りしておかないといけないのは、この写真絵本に紹介されているおにぎりは、47都道府県のご当地おにぎりというわけ…

A・ボグダーノフ、E・ゾズーリャ他/西周成編訳「ロシアSF短編集」(アルトアーツ)-1800年代から1900年前後のロシアSF短編を集めたアンソロジー。ディストピア物から宇宙物まで、意外に王道のSF作品なれど、ロシアらしさも感じられます。

ロシアSF短編集 作者: アレクサンドル・ボグダーノフ,エフィム・ゾズーリャ,アレクサンドル・クプリーン,ウラジーミル・オドエフスキー,セルゲイ・ステーチキン,西 周成 出版社/メーカー: 合同会社アルトアーツ 発売日: 2016/11/09 メディア: オンデマンド…