タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「田宮二郎、壮絶! いざ帰りなん、映画黄金の刻へ」升本喜年/清流出版-俳優・田宮二郎の壮絶にして濃密な俳優人生を描く骨太なノンフィクション

// リンク 「田宮二郎、壮絶! いざ帰りなん、映画黄金の刻へ」は、映画、テレビのプロデューサーとして俳優・田宮二郎と仕事をしてきた著者が、その生い立ちから、俳優としてデビューして銀幕の大スターとなり、不遇の時代を経てテレビドラマの世界で成功を…

「荒野にて」ウィリー・ヴローティン/北田絵理子訳/早川書房-孤独な少年チャーリーは一頭の馬と出会い、伯母の住むワイオミングに向かって旅立つ。

// リンク 15歳の孤独な少年チャーリーがリーン・オン・ピートという競争馬と出会い、自分の置かれた境遇や自らの思いをピートに語りかけることで愛情を深めていく。やがて、ピートが前肢に怪我をしている疑いがでて、殺処分の可能性もあると知ったチャーリ…

「キッズライクアス」ヒラリー・レイル/林真紀訳/サウザンブックス-自閉症スペクトラム障害の少年マーティンが経験するひと夏の物語

// リンク 「キッズライクアス」は、『自閉症スペクトラム障害』の高校生マーティンが、映画監督の母の仕事に合わせて、姉のエリザベスと一緒にフランスの田舎町で過ごすひと夏を描く物語だ。 『自閉症スペクトラム障害』のマーティンは、他人とうまく接する…

「瓶に入れた手紙」ヴァレリー・ゼナッティ/伏見操訳/文研出版-イスラエルの少女とパレスチナの少年の間で交わされるメールを通じて、パレスチナ問題を描く物語

// リンク ヴァレリー・ゼナッティ「瓶に入れた手紙」は、イスラエル・エルサレムに暮らす少女タルとパレスチナ・ガザ地区に暮らす“ガザマン”と名乗る男性(のちにナイームという少年とわかる)のメールのやりとりによって主に構成される物語だ。物語中ふた…

「弁護士アイゼンベルク 突破口」アンドレアス・フェーア/酒寄進一訳/東京創元社-恋人爆殺事件と過去の連続殺人事件。交互に描かれるふたつが結びついたときに見えてくる事件の真相

// リンク 前作「弁護士アイゼンベルク」を読んだのが2018年6月。それから2年、待望の第2弾が翻訳刊行された。「弁護士アイゼンベルク 突破口」である。 前作では冒頭から主人公の弁護士ラヘル・アイゼンベルクが、何者かによって人里離れた家に手足を拘束さ…

「ブックオフ大学ぶらぶら学部」武田砂鉄、山下賢二、他/岬書店-みんなにとっての『ブックオフ』。あなたにとっての『ブックオフ』。私にとっての『ブックオフ』

『ブックオフ』はこれまで数え切れないくらい利用してきた。単行本や文庫の比較的新しい作品が半額になっているのをヒャッホー!と手に取り、100円棚で「おぉ、これが100円!」と驚いたりしながら、あれもこれもと買い物かごに放り込んだ。ときに十数冊の本…

「ボッティチェリ 疫病の時代の寓話」バリー・ユアグロー/柴田元幸訳/ignition gallery-コロナ禍のニューヨーク。ロックダウンで閉ざされた日々の中でユアグローが紡ぎ出した12篇の寓話世界

https://ignitiongallery.tumblr.com/post/618733618054971392/%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A6%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AA-%E7%96%AB%E7%97%85%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A…