タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【2016年まとめ】今年読んだ本と今年見た映画からお気に入りをリストアップしてみた!

2016年最後のブログ更新です。最後は、2016年に読んだ本、劇場で鑑賞した映画の中からマイ・ベスト3を選んでみたいと思います。 2016年に読んだ本、観た映画の数は以下の通りです。 2016年に読んだ本 108作品※上下巻などの複数冊の本はまとめて1作品で…

【書評】ゲオルギイ・コヴェンチューク/片山ふえ訳「8号室~コムナルカ住民図鑑」(群像社)-“ガガ”の愛称で親しまれた画家であり名エッセイストでもある著者の思い出が描かれた短篇小説風のエッセイ集

8号室―コムナルカ住民図鑑 作者: ゲオルギイ・ワシーリエヴィチコヴェンチューク,片山ふえ 出版社/メーカー: 群像社 発売日: 2016/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書の著者ゲオルギイ・コヴェンチュークは、1933年生まれでレニングラード…

【書評】チャールズ・ウィルフォード/浜野アキオ訳「拾った女」(扶桑社)−行きずりの女を男は愛しいと感じた。ふたりは愛を交わし、そして落ちた。行き着く先には悲劇があった。

拾った女 (扶桑社文庫) 作者: チャールズウィルフォード,浜野アキオ 出版社/メーカー: 扶桑社 発売日: 2016/07/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (14件) を見る チャールズ・ウィルフォード「拾った女」は、文字通りあるひとりの女を拾った男の物語だ…

【書評】ちきりん「自分の時間を取り戻そう」(ダイヤモンド社)−この本には生産性を向上させるための具体的な方法は書かれていない。この本から読者が知るべきは生産性の概念と重要性である

自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方 作者: ちきりん 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2016/11/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (2件) を見る 自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れら…

【書評】閻連科/谷川毅訳「年月日」(白水社)-干ばつの村にたった1本残ったトウモロコシを守るひとりの老人と1匹の盲犬の戦いのはてにあるもの

年月日 作者: 閻連科,谷川毅 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2016/11/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る ついに『年月日』が日本でも出版されました。この作品は中国でもほかの国でも広く愛され、論争になることも非難されることもほ…

【書評】「まだまだ知らない夢の本屋ガイド」(朝日出版社)−私たちの知らない本屋さんがそこにある。それは夢のような本屋さんかもしれない。

まだまだ知らない 夢の本屋ガイド 作者: 花田菜々子,北田博充,綾女欣伸 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2016/11/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 出版不況と言われ続け、街から書店が姿を消していく中、個性的…

【書評】ヒラリー・ウォー「失踪当時の服装は」(東京創元社)-#はじめての海外文学 Vol.2ビギナー篇より。あるひとりの失踪した少女の行方と謎を地道に追いかける警察。1952年刊行の“警察小説”のパイオニア

失踪当時の服装は (創元推理文庫) 作者: ヒラリー・ウォー 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2015/03/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 失踪当時の服装は【新訳版】 (創元推理文庫) 作者: ヒラリー・ウォー,法村里絵 出版社/メーカー: …

【書評】村山早紀「桜風堂ものがたり」(PHP研究所)−桜の花に囲まれてある小さな書店は、本を愛する人たちを優しく迎えてくれる。書店への愛と書店員への愛が溢れた作品

桜風堂ものがたり 作者: 村山早紀 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2016/09/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 桜風堂ものがたり 作者: 村山早紀 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2016/10/07 メディア: Kindle…

【書評】エドワード・ケアリー「堆塵館~アイアマンガー三部作(1)」-まったく先の読めない壮大なアイアマンガー三部作の幕開けを飾る作品。物語のもつ力強さと読者を取り込むワクワク感を存分に味わえる

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2016/09/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (10件) を見る 堆塵館 アイアマンガー三部作 作者: エドワード・…

【書評】ヴァレンタイン・デイヴィス「34丁目の奇跡」(あすなろ書房)-ひとりの老人が起こす奇跡。彼は本当にサンタクロースだったのだろうか? #はじめての海外文学 Vol.2 ビギナー篇より

34丁目の奇跡 作者: ヴァレンタインデイヴィス,Valentine Davies,片岡しのぶ 出版社/メーカー: あすなろ書房 発売日: 2002/11 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (8件) を見る 気がつけば12月も半ばに差し掛かり、年末の慌ただしい喧騒が…

【書評】「〆切本」(左右社)−〆切、それは永遠に解決されない課題である

〆切本 作者: 夏目漱石,江戸川乱歩,星新一,村上春樹,藤子不二雄?,野坂昭如など全90人 出版社/メーカー: 左右社 発売日: 2016/08/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (10件) を見る どんな仕事でも“〆切”というものはあります。私のよ…

【書評】チョン・セラン「アンダー、サンダー、テンダー」(クオン)-韓国の地方の町で出会った6人の高校生の成長と青春の記録 #はじめての海外文学 ビギナー篇より。

アンダー、サンダー、テンダー (新しい韓国の文学) 作者: チョンセラン,吉川凪 出版社/メーカー: クオン 発売日: 2015/07/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「どうしてアンダー、サンダー、テンダーなの」ジュヨンが青い画面の上に小さく出た…

【書評】ドナ・タート「ゴールドフィンチ(4)」(河出書房新社)-「ごしきひわ」を巡って舞台はオランダ・アムステルダムへ。第1巻~第3巻に張り巡らされてきた伏線が回収され、物語は終焉を迎える

ゴールドフィンチ 4 作者: ドナ・タート 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ゴールドフィンチ 4 作者: ドナ・タート,岡真知子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/08/26 メディア:…

【書評】夏目漱石「夢十夜」−漱石が綴る10の夢物語。どのお話が好きかで性格診断とかできそう(笑)

夢十夜 作者: 夏目漱石 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (8件) を見る こんな夢を見た。 この書き出しが印象深い夏目漱石の短編集が「夢十夜」です。久しぶりにKindle無料版で再読(再々読あるいはそれ以上かも)してみました。…

【書評】ハン・ガン(韓江)「菜食主義者」(クオン)− #はじめての海外文学 ビギナー篇の1冊。突然肉食を拒否するようになった女性と家族の崩壊する様が描き出す人間の狂気と恐怖

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1) 作者: ハン・ガン,川口恵子,きむふな 出版社/メーカー: cuon 発売日: 2011/06/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (5件) を見る 「菜食主義者」というタイトルから、ベジ…