タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「謎の無線電信」森下雨村訳/ヒラヤマ探偵文庫-名探偵セクストン・ブレイクが受け取った謎の無線電信。窮地に陥っている仲間を救うべくブレイクが立ち上がる!

ramutakabook.thebase.in イギリスでシャーロック・ホームズと肩を並べる人気を誇った名探偵セクストン・ブレイク。大正から昭和にかけて探偵小説誌や週刊誌などに訳出掲載されたセクストン・ブレイクの物語を発掘し現代に蘇らせるヒラヤマ探偵文庫の「セク…

「柬埔寨の月」加藤朝鳥訳/ヒラヤマ探偵文庫-カンボジア王朝の莫大な財宝を巡る大冒険活劇と麗しき姫君と英国青年の恋物語。

名探偵セクストン・ブレイクをご存知だろうか。おそらく、多くの人がその名を知らないと思う。私も、本書を読むまではまったく知らなかった。 巻末の湯浅篤志氏による解説「セクストン・ブレイク探偵ふたたび」から引用したい。 セクストン・ブレイク探偵と…

「星屑の海 冬の怪獣たち」実相寺昭雄/筑摩書房-ウルトラシリーズ黎明期の特撮舞台裏を描いた前作「星の林に月の舟」に続く作品だが、これは正直きつかった

リンク 前作「星の林に月の舟 怪獣に夢見た男たち」で、「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」という円谷プロの特撮テレビシリーズの黎明期に、特撮ドラマ制作に熱い心で取り組んだ人々の姿を描き出した実相寺昭雄が、その続編的作品(あと…

「星の林に月の舟 怪獣に夢見た男たち」実相寺昭雄/大和書房-怪獣特撮ドラマの黎明期にその最前線に立っていた男たちの物語

リンク 令和になった現代でも新作が制作され続けている特撮ドラマ「ウルトラシリーズ」。そのスタートは、昭和41年(1966年)に放送された特撮ドラマ「ウルトラQ」である。そこから、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」とシリーズは続き、途中中断してい…

「山﨑ノ箱」山﨑まどか/けいこう舎-悲喜こもごもな人生模様を味わい深い画風と独特の感性で描く、Web連載時より『往年の「ガロ」か!』と話題を集めた著者初の作品集

ramutakabook.thebase.in ホームレスや生活保護を受けてドヤ街に生活する困窮者に向けた食料支援などを行う一般社団法人「あじいる」。本書の著者山﨑まどかさんは、イラストレーター・デザイナーとして活動しながら「あじいる」が発行する冊子の製作に参加…

「MM9-destruction-」山本弘/東京創元社-シリーズ第3弾にして完結編。チルゾギーニャ遊星人の地球侵略の魔手は最終段階に突入する。最終決戦に勝利するのはどっちだ!

リンク 地震や台風のように怪獣が自然災害として発生するという設定で描かれるシリーズの第3弾にして完結編。前作で宇宙怪獣との戦いに辛くも勝利したヒメと気特対。しかし、チルゾギーニャ遊星人による地球侵略の企てはまだ終わったわけではなかった。 宇宙…

「MM9-invation-」山本弘/東京創元社-MM9シリーズ第2弾。日夜怪獣災害に立ち向かう気特対が今回対峙するのは宇宙怪獣!

リンク 地震や台風のように“怪獣”が自然災害として存在する世界を舞台に、世界有数の怪獣災害大国である日本で、怪獣から人々を守るために奔走する気象庁特異生物対策部、通称気特対の活躍を描く怪獣SF小説のシリーズ第2弾。前作は連作短編スタイルだったが…

「MM9」山本弘/東京創元社-怪獣災害大国・日本で災害対策の最前線で奔走する組織、それが気特対!

リンク もし、地震や台風のように“怪獣”が自然災害として発生したら? そんな設定で描かれるのが「MM9」である。“MM”は“Monster Magnitude(モンスターマグニチュード)”の略で、怪獣災害の規模を示している。 日本は、世界でも有数の怪獣災害国だ。過…

「黄色い家」川上未映子/中央公論新社-幸せな家族を作り出すのも、その幸せを崩壊させ少女を狂わせるのも、すべて“金”

リンク 偶然みかけた小さなネット記事でわたし-伊藤花は“吉川黃美子”という名前を目にする。それは、およそ20年ほど前、花がまだ若かった頃に同じ家で、他のふたりの少女と一緒に生活したあの“黃美子さん”だった。花の脳裏に忘れていたあのときの記憶がよみ…