タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「りこうすぎた王子」アンドリュー・ラング/福本友美子訳/岩波少年文庫-おりこうさんは褒められる。でも、りこうすぎると嫌われる。

// リンク 子どもがなにか良いことをしたとき「○○ちゃんはおりこうさんだね!」とほめられる。だけど、度を過ぎてかしこいと逆にムッとしてしまうことがある。子どもというのは、適度におバカで、適度にかしこいくらいが大人から見ると可愛かったりするのだ…

「iレイチェル」キャス・ハンター/芹澤恵訳/小学館-この物語には『アイ』が溢れている

// リンク 『はじめての海外文学vol.5』で訳者の芹澤恵さんが推薦している作品。南アフリカ生まれのイギリス人作家によるキャス・ハンター名義での初の著作にあたる。 AI研究機関〈テロス〉でアンドロイド開発に携わっていたレイチェル・プロスパーは、夫の…

「聖なるズー」濱野ちひろ/集英社-犬や馬をパートナーとする動物性愛は性的倒錯行為なのか。それとも強すぎる動物愛なのか。

// リンク 動物を相手にセックスをする。多くの人は、そのような性的嗜好を持つ人たちを変態と感じ、嫌悪するだろう。私もそうだ。 濱野ちひろ「聖なるズー」は、大学院で文化人類学におけるセクシャリティ研究に取り組む著者が、ドイツの世界唯一の動物性愛…

「おちび」エドワード・ケアリー/古屋美登里訳/東京創元社-“おちび”と呼ばれた少女は、フランス革命前後の激動の時代を強く生き抜いて、マダム・タッソーとなる

// リンク エドワード・ケアリー著/古屋美登里訳「おちび」(原題は『Little』)は、アイアマンガー3部作(「堆塵館」「穢れの町」「肺都」)から2年、エドワード・ケアリーファン待望の新刊だ。実に執筆に15年を費やしたという長編小説は、マダム・タッ…