タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

ハードボイルド

《グレイマン》と呼ばれる冷酷無比な殺し屋は少女との約束を守るために苦難の道をひた走る-マーク・グリーニー「暗殺者グレイマン」

冒険アクション小説には、あまり積極的には関わってこなかった。あまり暴力的なことは好きではないという理由もあるが、これまでに冒険アクション小説であまり面白い作品に巡りあってこなかったというのもある。どうも、波長があっていないのかもしれない。 …

足が動かねぇ? 物忘れがひでぇ? それがどうした、四の五の言ってると俺のマグナムが黙ってねぇぜ!−ダニエル・フリードマン「もう過去はいらない」

誰しも、「寄る年波には勝てない」はずである。身体はガタつき、歩くこともままならなくなり、物忘れもひどくなっていく。家族に先立たれることもあるだろうし、古くからの旧友たちも櫛の歯が欠けるようにひとりひとり減っていく。 もう過去はいらない (創元…

寡作な作家が生み出した国産ハードボイルドの最高傑作-原りょう「私が殺した少女」

原りょう(【りょう】は、寮のうかんむりを外した字)は、実に寡黙な作家である。 1988年に「そして夜は甦る」で鮮烈なデビューを果たし、1989年には、第2作にあたる「私が殺した少女」で第102回直木賞を受賞して順風満帆な作家生活を歩みだした。しかし、そ…