タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「ネルーダ事件」ロベルト・アンプエロ/宮崎真紀訳/早川書房(ポケットミステリ)-1973年。激動のチリでカジェタノはパブロ・ネルーダと出会う。それがすべての始まりだった。

// リンク 南米チリの作家ロベルト・アンプエロの私立探偵カジェタノ・ブルレを主人公とするシリーズの第6作にあたるミステリ作品。 タイトルにもなっている“ネルーダ”とは、チリの詩人でノーベル賞作家のパブロ・ネルーダのこと。物語は、カジェタノが探偵…

「原州通信」イ・ギホ/清水知佐子訳/クオン-成長できない男の悲哀がユーモラスであり、どこか我が身に重ねてみたりするなど

// リンク 文学を中心に韓国なさまざまな本を翻訳紹介している出版社『クオン』が手掛ける『きむふなセレクション・韓国文学ショートショート』シリーズは、1篇の短篇小説の日本語訳と韓国語原文を両方掲載し、かつ韓国語の朗読音声をYoutubeで視聴すること…

「鯨」チョン・ミョングァン/斎藤真理子訳/晶文社-これぞエンタメ小説!圧倒的な想像力で創造される物語の迫力に魅了されました。

// リンク 『ワイドスクリーンバロック』という言葉をご存知だろうか。 2020年1月に大阪の梅田蔦屋書店で開催された「はじめての海外文学スペシャルin大阪」イベントに登壇された翻訳家増田まもるさんのプレゼンで知った言葉だ。物語をいかに大きくいかにと…

「古くてあたらしい仕事」島田潤一郎/新潮社-『古くてあたらしい仕事』というタイトルにこめられた夏葉社10年の軌跡

// リンク ひとり出版社『夏葉社』の島田潤一郎さんが、ご自身が夏葉社を立ち上げるまでの日々や立ち上げてからのさまざまな出来事を綴った本。 「古くてあたらしい仕事」というタイトルが秀逸だ。出版業界はかなり以前から斜陽産業と言われ続けていて、特に…

「完訳オズのふしぎな国」ライマン・フランク・ボーム/宮坂宏美訳/復刊ドットコム-ラストに待ち受ける驚愕の真相!エメラルド王国を追われたかかしの運命はいかに!(注:本書はファンタジーです)

// リンク 「アガサ・クリスティの『オリエント急行の殺人』と『アクロイド殺し』と『カーテン』を合わせたくらいの大大大どんでん返し」「ミステリ通を自認するならこの作品を知らないのはモグリ」 『はじめての海外文学スペシャルイベント』で壇上に立った…

「赤い衝動」サンドラ・ブラウン/林啓恵訳/集英社-25年前の爆破事件で英雄となった少佐はなぜ銃撃されたのか? 過去と現在をつなぐ真実とは?

// リンク はじめて読むジャンルの作品。著者サンドラ・ブラウンは『ロマンス小説』の第一人者で、60作以上の作品を発表していて大半がベストセラーになっている。 本書「赤い衝動」もロマンス小説だが、ミステリ小説としての要素が高く、非常に読み応えがあ…