タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

キャスリーン・クルル文、ピーター・マローン絵/宮坂宏美訳「なぜカツラは大きくなったのか?~髪型の歴史えほん」(あすなろ書房)-祝! #やまねこ20周年 はカツラ祭り!? 「このハゲェー!」なんて言わないで。カツラと髪型を巡るあれこれがてんこ盛りです!

 

なにやら巻き込まれた感が拭えない(笑)。

「発足20周年を迎えた〈やまねこ翻訳クラブ〉に参加している翻訳家さんたちの訳書をどんどんと読んでお祝いしよう!」というオンライン読書会が、書評コミュニティサイト本が好き!で開催されている。

www.honzuki.jp

その読書会に、私はないとうふみこさん訳のアンドルー・ラング「夢と幽霊の書」のレビューをもって参加した。すると、読書会の主催者からこんな引用ツイートが届いた。

 

この引用ツイートからの一連の流れで、私は『カツラ祭り』に言葉巧みに誘い込まれていた。しかも、最後は訳者自らの甘言である。

 

うーん、どうする?

 

とりあえず、地元の図書館に蔵書があるか確認してみることにした。蔵書があれば、祭りに参加するのもやぶさかではない。図書館のWebサイトにアクセスし、検索ワードに絵本のタイトルを入力してポチる。あった…。

うーん、どうする?

予約した。ステータスが「貸出可能」だったので、翌日には「準備できました!いつでも受け取りに来て!」(実際はこんなにフランクではありません。念のため)という連絡メールが届く。その日のうちに、私は大判でカラフルな絵本を1冊手にしていたのだった。

で、ここからが本題(前置き長いよ!)

本書「なぜカツラは大きくなったのか?」は、副題に「髪型の歴史」とあるように、カツラだけでなく髪型が長い歴史の中でどう変化してきたのかが描かれている。いきなり、全身毛むくじゃらの類人猿で始まったかと思うと、金髪が登場し、カツラが登場する。子供向けの絵本としてはやや独特なタッチの絵に添えられた文には、髪型やカツラをめぐる当時の世相的な話やエピソードが記されている。

細かいところは、先行するレビュアーさんたちがそれぞれに記してくださっているので、私が重ねて書くこともないだろう。

私が興味をもったのは、髪や頭皮のメンテナンス目的でやたらと“尿”が登場することだ。動物の尿がハゲの治療薬として使われている。どうなんだろう、効果あるのか? そういえば、昔テレビでハゲ治療で牛にハゲ頭をなめさせるという民間療法を見たことがあったのを思い出す。あの粘度の高い牛の唾液にまみれた禿頭を「髪よ、生えろ!」と撫で回すお爺さんの姿。今思い返してみると、ちょっとしたディストピア感さえ感じさせる。
※念のため「ハゲ治療 牛の唾液」で検索したらマジの治療法として出てきた。なんでも南米では「理容牛」という牛が理髪店にいたりするらしい。

mouta-ikumouzai.com

ハゲ治療という意味では、自毛植毛を世界で最初に発明したのが日本人だったというのは驚いた。1939年に奥田庄二という医師が開発したのだそうだ。ただ、戦争中だったので奥田医師の植毛法が世界に発表されるには数年待たなければならなかったという。

たかがカツラ、たかが髪型、されど気になるハゲ頭。やれやれ人間とは随分と髪の毛を気にして生きてきたのだなと、様々なエピソードを読みながら考えた。

 

s-taka130922.hatenablog.com