タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【書評】文学ムック「たべるのがおそいVol.2」(書肆侃侃房)-待望の第2号発刊。今度の特集は「地図−共作の実験」と題する様々なコラボ企画。創作では大前粟生に注目だ

文学ムック たべるのがおそい vol.2 作者: 金原瑞人,石川美南,宮内悠介,円城塔,やくしまるえつこ,西崎憲,穂村弘,大前粟生,津村記久子,森見登美彦,四元康祐,今橋愛,岡野大嗣,瀬戸夏子,吉野裕之,倉本さおり,中野善夫,ヤンヴァイス,アンナカヴァン,阿部賢一 出…

【書評】鄭泳文「ある作為の世界」(書肆侃侃房)−あるがまま、見たままをただ書き綴る。ただそれだけが面白い

ある作為の世界 作者: 鄭泳文,奇廷修 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2016/07/09 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 鄭泳文(チョン・ヨンムン)による本書「ある作為の世界」は、彼が大山文化財団という団体の支援を受け…

【書評】施川ユウキ「バーナード嬢曰く。(3)」(一迅社)-まさかのアニメ化で注目の「ド嬢と仲間たち」は今回も図書館で読書談義に花を咲かせる

バーナード嬢曰く。 3 (IDコミックス REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2016/10/27 メディア: コミック この商品を含むブログ (2件) を見る バーナード嬢曰く。: 3 (REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅…

【書評】ドナ・タート「ゴールドフィンチ(2)」(河出書房新書)−母を失った少年の前に、失踪中だった父が突然現れた。少年は、父に引き取られラスベガスで暮らすことになるのだが…

ゴールドフィンチ 2 作者: ドナ・タート 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/08/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ゴールドフィンチ 2 作者: ドナ・タート,岡真知子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/07/26 メディア:…

【書評】草彅洋平「作家と温泉」(河出書房新社)-♪いい湯だなぁ~、作家に温泉はよく似合う

ブックポート大崎ブライトタワー店で大好評開催中の「本が好き!#棚マルフェア」には、書評サイト「本が好き!」に参加しているレビュアーさんたちが熱烈推薦する本が並んでいる。ジャンルも多種多様で、「へぇ~、こんな本が出てたのか」とか「うわぁ~、こ…

【書評】ペーター・シュタム「誰もいないホテルで」(新潮社)-美しい文章(美しい翻訳)に癒やされる

小説にはいろいろなタイプがあって、プロットの妙で読者を引きつける作品もあれば、キャラクターの魅力や会話の面白さでページをグイグイと読み進めてしまう作品もある。 文章が美しい小説というのも、さまざまに存在する小説のタイプのひとつだと思う。書か…

【書評】フランソワ・ルロール「幸福はどこにある」(伽鹿舎)−あなたは幸せですか?あなたの幸せはなんですか?

幸せというものはちょうど雨上がりの空に立ちのぼる虹のふもとのたよりなさによく似ているわ これは、1977年7月に発表されたさだまさしのセカンドソロアルバム「風見鶏」に収録されている「思い出はゆりかご」という曲の一節である。 フランソワ・ルロールの…

【書評】ハラルト・ギルバース「オーディンの末裔」(集英社)-「ゲルマニア」の続編。ドイツの敗色濃厚な中、夫殺しの嫌疑を駆けられた友人を救うためにオッペンハイマーは奔走する

ハラルト・ギルバースのデビュー作「ゲルマニア」を読んだのは1年少し前、2015年8月のことだ。ナチス政権下のドイツでユダヤ人の元刑事オッペンハイマーが、ナチス将校フォーグラー大尉の命令で残忍な連続猟奇殺人事件の捜査に挑むという作品で、ユダヤ人と…

【書評】tupera tupera「パンダ銭湯」(絵本館)-あの愛くるしいパンダたちにこんな秘密があったなんて、そりゃもう徹子さんも驚くわよ!

パンダ銭湯 作者: tupera tupera 出版社/メーカー: 絵本館 発売日: 2013/08/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (76件) を見る パンダといえば黒柳徹子さんですよね! 黒柳徹子 - Wikipedia Wikipediaにある黒柳徹子さんに関する説明によれば、徹子さ…

【書評】阿部公彦/阿部賢一/楯岡求美/平山令二「世界の文豪の家」(エクスナレッジ)-あの名作はこの家で生まれた。環境が作品のベースとなり、傑作を生み出すのだと感じさせてくれる写真集

世界の文豪の家 作者: 阿部公彦,阿部賢一,楯岡求美,平山令二 出版社/メーカー: エクスナレッジ 発売日: 2016/09/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 紹介されている様々な文豪の家を見ていると、その作家が暮らした環境が作品…

【書評】ドナ・タート「ゴールドフィンチ(1)」(河出書房新社)-爆弾テロで母親を失った少年は、1枚の絵とともに波乱万丈の運命を生きる。大長編小説の幕開けとなる1冊

ゴールドフィンチ1 作者: ドナ・タート,岡真知子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/06/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る ゴールドフィンチ 1 作者: ドナ・タート 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: …

【書評】海堂尊「ポーラースター ゲバラ覚醒」(文藝春秋)-全4部作になるという海堂尊版チェ・ゲバラ伝。第1弾は若かりしゲバラの南米縦断旅行記=モーターサイクル・ダイアリーズ

ポーラースター ゲバラ覚醒 作者: 海堂尊 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/06/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 今年(2016年)、安倍首相がキューバを訪問したときに、90歳になるフィデル・カストロと面会したというニュース…

【書評】北尾トロ、下関マグロ、竜超「町中華とはなんだ〜昭和の味を食べに行こう」(立東舎)-ラーメン、餃子、炒飯、カツ丼、オムライスにナポリタンも!?これぞ町の中華屋さん!

町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう (立東舎) 作者: 町中華探検隊,北尾トロ,下関マグロ,竜?超,清野とおる 出版社/メーカー: リットーミュージック 発売日: 2016/08/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 町中華とは…

【書評】ヘミングウェイ「老人と海」(光文社)-男は、海に憧れ、海とともに生き、海に翻弄される。

老人と海 (光文社古典新訳文庫) 作者: ヘミングウェイ 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2014/09/19 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 老人と海 (光文社古典新訳文庫) 作者: アーネストヘミングウェイ,Ernest Hemingway,小川高義 出版社/メー…