タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「体温」多田尋子/書肆汽水域-誰かに依存しているようでいて、しっかりと自分自身で自立している女性たち。30年以上前に書かれた作品なのに、むしろ新しさを感じる短編集。

// リンク 1932年長崎県生まれ。日本女子大学国文科を卒業。1985年に短編小説「凪」を「海燕」に発表し小説家デビューする。1986年に「白い部屋」で第96回芥川賞候補となり、その後「単身者たち」「裔の子」「白蛇の家」「体温」「毀れた絵具箱」で計6度候補…

「隠された悲鳴」ユニティ・ダウ/三辺律子訳/英治出版-『儀礼殺人』という特異な因習を題材にしたサスペンス小説。伝統の影にある人権の問題。

// リンク 少女に恨みがあるわけではなかった。ただほしかったのだ、必要だったのだ。 物語は、この不穏な書き出しからはじまる。そして、3人の男たちによってひとりの少女が犠牲になる。それは、男たちが自らの願いを叶えるための儀礼殺人だ。彼らは、自分…

「鳥肉以上、鳥学未満」川上和人/岩波書店-商店街で手に入る鳥肉の様々な部位を観察し、ときに味わいながら鳥類の進化や生態に迫る!?

// リンク 我が家では、かなりの頻度で鶏肉をつかった料理が並ぶ。唐揚げ、焼き鳥、照り焼き、蒸し鶏、煮物、鍋料理。使う部位も多様で、もも肉、胸肉、手羽元、手羽先、砂肝、レバーなどなど。鳥料理は安価で手軽に作れるので重宝している。 川上和人「鳥肉…

「ゴビ 僕と125キロを走った、奇跡の犬」ディオン・レナード/夏目大訳/ハーパーコリンズ・ジャパン-砂漠を走る過酷なウルトラマラソン。そのレースの最中に出会った一匹の犬のためにディオンは奔走する

// リンク 灼熱の砂漠を数日をかけて250キロも走るなんて人間技ではない。運動嫌いで歩くことすら億劫な私には考えられないことだ。しかし、この本の著者ディオン・レナードは、そういうマラソン大会をいくつも走ってきた。まさに鉄人である。 ディオンは、…

「僕のワンダフル・ジャーニー」W・ブルース・キャメロン/青木多香子訳/新潮文庫-魂の目的を果たしたはずのトビーは、クラリティを愛し守るためにまた生まれ変わる。

// リンク 僕は魂の目的を果たしたのだ。 前作「野良犬トビーの愛すべき転生」のラストで、トビーが何回も転生を繰り返して愛し続けた少年イーサンと、最後の犬バディとして永遠の別れを迎えたとき、彼はそう感じた。これで、自分の使命は終わったのだと思っ…

「野良犬トビーの愛すべき転生」W・ブルース・キャメロン/青木多香子訳/新潮文庫-たったひとりの少年イーサンを愛するために、トビーは何度も生まれ変わる

野良犬トビーの愛すべき転生 (新潮文庫) 作者: W.ブルースキャメロン,W.Bruce Cameron,青木多香子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2012/06/27 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る これまでに4匹の犬を飼ってきた。 最初の犬は、3、4歳の…

「犬ニモマケズ」村井理子/亜紀書房-村井さんちのハリーくんも2歳を過ぎてイケワンになりました!

// リンク イケワンだ!イケワンすぎる!! 翻訳家・村井理子さんの愛犬ハリーくんと村井家の日々を記したエッセイ集の第2弾「犬ニモマケズ」です。前作から1年、2歳9ヶ月になった黒ラブのハリーくん。体重45キロ(前年比10キロ増)と、体もすっかり…