リンク ファーストコンタクト。それは、異なる文明や種族との初めての遭遇を指す。SF小説ではひとつのジャンルとして確立していて、スタニスワフ・レム「ソラリス」やアーサー・C・クラーク「幼年期の終り」、テッド・チャン「あなたの人生の物語」、劉慈欣…
リンク 読み始めはゴシック趣味の怪物譚なのかなと思っていた。読み進むにつれて、そんな単純な物語ではないと気づき、読み終わった後には不思議な余韻を感じる作品だった。それが、アラスター・グレイ「哀れなるものたち」を読んだ私の心境の変遷である。 …
リンク 映画「気狂いピエロ」は、フランスヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督のひとり、ジャン・リュック・ゴダールの代表的作品である。1965年に公開(日本では1966年にフランス映画祭で初公開。1967年に一般公開)された。 「気狂いピエロ」の原作小説…
リンク 長年愛され続けている日本の国技、相撲。その起源は「古事記」や「日本書紀」の時代までさかのぼることができ、1000年を優に超える歴史ある競技である。 その長い歴史の中では数多くの力士が生まれた。数多の力士の中で史上最強とされるのが、本書「…
2025年の秋くらいから、 ・本を読了する・読了した本の感想について喋り、それをPCのレコーダーで録音する・録音した音声データをNotebookLMにアップロードして文字起こしする・文字起こしテキストをChatGPTにアップしてブログ記事用の下書きを作ってもらう…
リンク 同じ物語でも違う視点になると見え方が変わる。パーシヴァル・エヴェレットの「ジェイムズ」は、マーク・トウェインの「ハックルベリー・フィンの冒険」をハックとともに旅をした黒人奴隷ジムの視点から語り直した作品である。 だが、本書はただ単純…
リンク ノーベル文学賞作家であるアーネスト・ヘミングウェイは、『今日のアメリカ文学はすべてマーク・トウェインのハックルベリー・フィンという1冊の本から出ている』と評していると、本書巻末の著者紹介には記載されている。それがどういう意図で発せら…
リンク 読み終えてまず思ったのは、「この作品を“面白かった”と気軽に言っていいのか」というちょっとした後ろめたさのようなものだった。 アグスティナ・バステリカ「肉は美し」(“美し”と書いて“うまし”と読ませる)は、致死性ウィルスのパンデミックによ…
リンク “東北ルネサンス”という言葉があるのをご存知だろうか。 私がこの言葉を知ったのは、第11回日本翻訳大賞の授賞式でのこと。審査員の柴田元幸さんと、本書「ハリネズミ・モンテカルロ食人記・森の中の林」で受賞した訳者の関根謙さんとのトークセッシ…
リンク 読んでいる間ずっと緊張が途切れない、圧倒的なスリルに満ちたサスペンス小説。それが、本書「夜明けまでに誰かが」である。著者は「自由研究には向かない殺人」に始まる“向かない三部作”で翻訳ミステリーファンのハートをガッチリと掴んだホリー・ジ…
リンク リンク スリランカといえば紅茶がパッと思い浮かぶ。インドのとなりに浮かぶ島国で、なんとなく平和そうな、南国のリゾートの印象がある。 だが、本書「マーリ・アルメイダの七つの月」を読むと印象がガラリと一変する。本書は、1990年のスリランカが…
「極北の海獣」イーダ・トゥルペイネン/古市真由美訳/河出書房新社-ロシア、アラスカ、フィンランド。時代を超え、場所を変えて展開する物語。絶滅したステラーカイギュウを軸に描かれるフィンランド文学の注目作
リンク 現在、世界にはおよそ158万種の動物がいる。そのうち、絶滅の危機にあるとされる動物種の数はおよそ4万7千種に及んでいる。 イーダ・トゥルペイネンの長編デビュー作にあたる「極北の海獣」は、18世紀ロシア、19世紀アラスカ、そして現代フィンランド…
リンク リンク 読み終わって、精神的にキツイ小説だと思った。どうしたらこんな小説世界を考え出せるのだろう。読んでいる間ずっと心をグサグサと抉ってくる感覚が抜けない。読み終わってもしばらく呆然とするしかない。 村田沙耶香「世界99」は、上下巻合わ…
リンク 中学校の校舎には暗室があった。1階の階段下にある物置のような窓のない部屋が暗室として使われていて、1度だけ入ったことがある。なぜ暗室に入ることになったのかは覚えていない。中学に写真部があったかも記憶にないが、その暗室でネガフィルムから…
リンク 2025年上半期第173回直木賞は『該当作なし』という結果になった。同じく選考が行われた芥川賞も『該当作なし』となり、両賞ともに『該当作なし』になったのは1998年以来とのことで、書店界隈では芥川賞、直木賞の受賞作が売上の柱ともなりうるだけに…
リンク 『失われたスクラップブック』を読み終えて、「確かにこれは翻訳大賞だ」と感じた。 私が本書を読み始めたのは、この作品で木原善彦さんが2回目(!)の日本翻訳大賞受賞という知らせを受けてからで、最終候補の5作に残った段階で読むつもりではいたの…
リンク 読んでいて苦しくなるような作品があります。登場人物の境遇や物語の中で起きる事件、そういったことのひとつひとつが読者の胸を締めつけてくる作品。 佐藤正午の「熟柿」は、そういう読者の胸を締めつけてくる作品です。 本書の主人公であり語り手の…
リンク 出版不況と言われ続ける中で年2回のお祭りとも言えるのが芥川賞、直木賞です。2025年1月に発表された第172回では、芥川賞を安堂ホセさんの「DTOPIA」、鈴木結生さんの「ゲーテはすべてを言った」の2作、直木賞を伊与原新さんの「藍を継ぐ海」がそれぞ…
リンク 1945年1月27日、ポーランドに進軍したソ連軍によってアウシュヴィッツ強制収容所は解放されました。今年(2025年)は、解放から80年となる節目の年であり、現地では追悼式典が行われました。 マーティン・エイミス「関心領域」は、アウシュヴィッツ強…
リンク 環境省が公表している「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」という統計資料によれば、2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)に殺処分された犬、猫の数は合計で11,906(犬:2,434、猫:9,472)となっています(※参照)。年間に1…
リンク スティーヴン・キングは世界中にいます。 スティーヴン・キングといえば言わずとしれたホラー小説の第一人者。“モダン・ホラーの帝王”と呼ばれ、ホラー小説というジャンルに新たな世界を築き上げた作家です。 キングが登場し、モダン・ホラーという形…
リンク シーグリッド・ヌーネス「友だち」に描かれるのは“喪失”です。主人公である女性作家の一人称で紡がれるのは、尊敬し、そして誰よりも心を許せた男友だちを突然失った彼女の喪失からくる孤独の物語です。 「これは不思議な小説である」と、訳者はあと…
リンク いろいろな本を読んでくると、時に奇妙としか言いようのない作品にあたることがあります。最後の最後まで読み通しても結局どういう物語だったのが理解できなかったことも数え切れないほどあります。 ステファン・テメルソン「缶詰サーディンの謎」は…
リンク 前巻「両京十五日Ⅰ 凶兆」のラストで呉定縁を梁興甫に連れ去られて離れ離れになってしまった朱瞻基一行。北平で起きている異変に速やかに対応すべく叔父の張泉との合流のため臨清を目指す中で、朱瞻基は呉定縁を救出のため済南へ向かうことを決断する…
リンク 毎年年末になると様々なジャンルでその年のベストテンが発表されます。文学の世界では、ミステリー小説に関するベストテンが発表されており、その中でも1988年から続く「このミステリーがすごい!」(宝島社)は代表格と言えるでしょう。「このミス」…
リンク 2024年のノーベル文学賞は、韓国の女性作家ハン・ガン氏が受賞しました。韓国人作家として初の受賞であり、アジア人女性作家としても初の受賞です。 ハン・ガン氏の作品は、これまでに数多く日本語に翻訳されて出版されています。代表的な作品として…
リンク 中東情勢の不安定さにはいくつかの要因がありますが、イスラエルの存在がそのひとつであることは間違いないでしょう。1948年に建国されて以降、第一次中東戦争から現在に至るまで戦争の火は絶えることなく続いています。イスラエル建国以降、イスラエ…
ramutakabook.thebase.in 翻訳文学の魅力は、世界中のさまざまな文化や感性に触れられるところにあります。ことばのたび社による翻訳同人アンソロジー「翻訳文学紀行」は、そうした魅力ある翻訳文学の中でも私には少しなじみのない世界を紹介してくれるシリ…
リンク 日本が世界に誇る名峰富士山。年間20万人以上の登山客が訪れるこの山は、1707年(宝永4年)に大規模な噴火を起こして以降、現在に至るまで300年以上噴火はしていませんが、現在も活動中の活火山です。空高く悠然とそびえ立ち、観光客を暖かく迎える富…
リンク 2004年にデビュー作でもある「蛇にピアス」で第130回芥川賞を綿矢りささんと同時受賞した金原ひとみさん。綿矢さんが19歳で史上最年少受賞となり話題になりましたが、金原さんも20歳と若くしての受賞であり、ふたりの若い作家の受賞でとても盛り上が…

