タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

「組織のネコという働き方 「組織のイヌ」に違和感がある人のための、成果を出し続けるヒント」仲山進也/翔泳社-“組織のトラ”にはなれなくても、“組織のネコ”として少し自由に働ければいいんじゃないか

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会社という組織で働いているといろいろなタイプの人材がいる。私が接してきた人の多くは、会社が決めたことや上司の指示に従って、組織としての目標を果たすために忠実に働くタイプだったように思う。私も、どちらかというとそういうタイプの人材かもしれない。

本書では、組織に属する人材を4つ動物に例えて分類している。ライオン、トラ、イヌ、そしてネコだ。

“組織のライオン”は、組織を統率するリーダーとしての人材。ライオンは群れで行動する動物であり、群れのリーダーが仲間を統率して生きていることから、リーダーシップ型人材をライオンに例えている。マネージメント能力の高い人材だ。

“組織のトラ”は、卓越した能力や人脈などを有し個人としてのパフォーマンスが高い人材。トラは群れではなく個々に生きる動物であり、かつ力強さがある。組織の論理にはあまり与しないが、個人としての能力が高く、何をしているかわからないけど成果を上げていて組織外からの評価も高い人材だ。

“組織のイヌ”は、組織に忠実で指示された任務を着実にこなす人材。イヌは飼い主に従順でしつけられたとおりに忠実に飼い主に従う動物であることから、組織や上司に忠実な人材をイヌに例えている。決められた職務を確実に遂行する能力がある。

“組織のネコ”は、パフォーマンスこそイヌだけど、ただイヌのように忠実であるだけでなく、ときに自分の論理で行動できるタイプの人材。ネコは飼い主に対してツンデレな動物であるが、ネコタイプの人材も同様で、絶対的に組織や上司に忠実であるわけではなく、時と場合によっては自分の考えで行動できる人材である。

本書は、「Biz/Zine」というWebサイトの連載「トラリーマンに学ぶ「働き方」」の記事をもとに書かれたものである。著者が連載の中で対談した“組織のトラ”たちのエピソードを中心に、トラとしての働き方が紹介され、そこから“組織のトラ”となるための“組織のネコ”としての生き方が書かれている。新しい働き方を模索している人には参考になる部分も多い。

これまで、日本の会社組織は“組織のライオン”によって統率された“組織のイヌ”が、職務を忠実に遂行するという組織人材モデルによって運営されてきた。しかし、そのモデル構造は機能しなくなってきている。そういう中で、私たちのような“組織のイヌ”として生きてきた人間がシフトしていかなければならないのが、“組織のネコ”という働き方であり、さらに上を目指すのであれば“組織のトラ”なのであろう。

一方で、これまで“組織のイヌ”として、ある意味組織に守られてきたた私たち世代の人間が、いきなり“組織のネコ”に変身できるかというとそれは難しい。“組織のネコ”は、自分の考えで行動できるが、同時に責任も伴う。自分の行動にしっかりとした責任を持てるかが“組織のネコ”に変われるか否かの分岐点かもしれない。

また、会社が社員に“組織のネコ”として自立した人材像を求めるのであれば、個人が自由に動き、かつ過剰に責任を求めない度量を持つことが必要になる。自由に動ける環境と適度なバックアップ、サポートを行うことが、これからの組織マネジメントには求められると思う。

最近会社で新しい働き方を考えようという話があって、私は直接そのワーキンググループに入っているわけではないのだがメンバーの考えを聞く機会があった。その話を聞いている時に思い浮かんだのが本書だった。読んでいくうちに、“組織のネコ”という働き方が自分にとっては理想に近い働き方だと思った。

私も会社員として組織に属して働ける期間も残り少なくなってきている。もちろん、まだまだ10年以上はあるが、10年はあっという間に過ぎていってしまうものだ。次のステップに向けて何かを始めようと思ったら、今から動き出さないと間に合わないかもしれない。将来の安心のためにも今から備えておきたいと思う。