ガタガタ書評ブログ

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

エドワード・ケアリー/古屋美登里訳「穢れの町~アイアマンガー三部作(2)」(東京創元社)-「堆塵館」の驚愕のラストを読んだときから続きが気になって仕方なかった!「アイアマンガー三部作」待望の第2巻をひと足先に読んだ!すごかった!

穢れの町 (アイアマンガー三部作2)

穢れの町 (アイアマンガー三部作2)

 

 

「待ってました!」
前作「堆塵館」を読んだ方なら絶対にそう思っているはず。エドワード・ケアリーの「アイアマンガー三部作」の第2巻「穢れの町」がいよいよ刊行される。今回、東京創元社が募集した「読者ゲラモニター」に応募して当選したことで、刊行前のゲラ段階で「穢れの町」をひと足先に読ませていただく機会を与えられた。東京創元社から指定されたのは、「4月末までに読んで感想を東京創元社のサイトから登録すること」である。その後、およそ1ヶ月が経過し、刊行日を目前に控えたところで、改めてゲラを読み返しレビューを記してみたい。

なお、ネタバレなどは一切していないが「まっさらな気持ちで『穢れの町』を楽しみたい」という方もおられると思いますので、そういう方は「穢れの町」を読み終えた後で拙レビューをお読みいただければと思います。

 

「堆塵館」のラストの驚愕を覚えている。《誕生の品》の声を聞くことができる少年クロッドとアイアマンガー家の使用人ルーシーが堆塵館で巻き起こる混乱の中で盛り上がりを見せた終盤の展開は、続刊への期待を否が応でも高めたままに幕を閉じる。「堆塵館」のラストを読んだとき、思わず「ここで終わるのか!?」と思った。この終わり方で続きが気にならない読者がいるだろうか。私は読み終えた本を閉じた瞬間から続きが読みたくて仕方なかった。

その待ち焦がれた続刊「穢れの町」を刊行前に読む機会をいただけたのだ。こんなにうれしいことはない。

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「穢れの町」の舞台は、ロンドンにある《フィルチング》という地区だ。そこは、広い屑山のそばにあって、みんなは『穢れの町』と呼んでいる。治安が悪く、荒れ果てていて、病気が蔓延し、残虐なことが起きている場所。それがフィルチングだ。

物語は、ジェームズ・ヘンリー・ヘイワードの話で幕を開ける。フィルチングにある『月桂樹の館』という地区でいちばん背の高い立派な建物で暮らしているジェームズ・ヘンリー・ヘイワードは、十シリング金貨を大事に持っている。なぜなら、その金貨を手放しては行けないと言われているから。でも、彼は空腹に耐えかねて入った「パイの店」で金貨を失ってしまう。

陶製のボタンを持った男がいる。かつてはフォーリッチンガム区で保護されていたが、のちにごみ山に投げ捨てられていた者。男は《ボットン》が好きだ。好きだし集めている。その中にある《陶製のボットン》が踊りだした。明かりの中で、暗闇の中で、ボットンは踊り続ける。そして、次第に形を変えていく。

ジェームズ・ヘンリー・ヘイワードが手放してしまった十シリング金貨、男が持っていた陶製のボットン(ホタン)が何を意味しているのか。「堆塵館」を読んだ方はご承知だろう。

「堆塵館」は、クロッド・アイアマンガーとルーシー・ペナントの成長と出会いの物語であった。アイアマンガー一族が築き上げた『堆塵館』という閉じられた場所で、内に抱えた一族の謎が描かれた物語であった。その物語の中で、クロッドとルーシーは見違えるように成長し、そして次のフィールドに話が移っていった。その次のフィールドが『穢れの町』と呼ばれるフィルチング地区なのだ。

「穢れの町」にもアイアマンガー一族の謎が渦巻いている。一族がいかにして今の繁栄を築き上げたのか。彼らが『穢れの町』で行っていることとは何か。そして、クロッドとルーシーの運命は、大きな物語の荒波の中でどのように進んでいくのか。ページをめくるごとに飛び込んでくるエピソードの数々と、「堆塵館」と同様にエドワード・ケアリー自身によって描かれた挿絵の数々が、読者の興奮を掻き立て、読み始めたら絶対に止められなくなる。そして、また今回もラストまで読み終えた瞬間に思うだろう。「早く続きが読みたい!」と。

訳者の古屋美登里さんによれば、第3巻となる「肺都」も翻訳は完了しているとのこと(最終稿というわけではないでしょうが)。「堆塵館」、「穢れの町」と出て最後の「肺都」が刊行されないということはないと思いますが、「穢れの町」が売れなければそういう状況になる可能性もゼロではないので、本書が「堆塵館」のように読まれて欲しいと思います。当然ですが、私も「穢れの町」はゲラで読みましたが、書籍が刊行されたら買って読みますよ。

また、「穢れの町」の刊行を記念したトークイベントも開催されるそうです。

real.tsite.jp

さらにさらに嬉しいニュース。アイアマンガー三部作の版権管理をしている出版エージェントが、三部作に映画権オプションを与えたとのこと。古屋さんの驚喜のツイートにもあるように、アイアマンガー三部作が映画になるかもしれないのです。もし実現したらと思うとワクワクします。実写作品なの? アニメ作品なの? 監督は? 配役は? などなど興味は尽きません。絶対実現してほしい!

 

ということで、「穢れの町」の刊行は。いよいよ5月末(5/29)です。あと1週間ちょっとになりました。絶対に面白いですから読んで欲しいと思います。

www.honzuki.jp

 

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)

堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1)

 
堆塵館 アイアマンガー三部作

堆塵館 アイアマンガー三部作