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【イベントレポ】第23回東京国際ブックフェアで22冊の本を買った話と乃木坂46、そして朝井リョウ

本好きににはたまらない年に1度のお楽しみイベント「東京国際ブックフェア」が、今年(2016年)も開催されましたね!

今年で第23回となるブックフェア。会場は恒例の東京ビックサイトですが、開催期間が昨年までの7月初旬から9月に変更となりまして、9月23日(金)~25日(日)の3日間で行われました。もちろん、私は今年も参加してきましたよ!

そもそも「東京国際ブックフェア」って?
今年で23回目ともなると、もはや知らない人はいないんではないかと思うのですが、本に興味がない方々には基本的に縁のないイベントであろうと思いますので、簡単に説明しておきますね。

www.bookfair.jp

こちらは、「第23回東京国際ブックフェア」の公式サイトです。

 

東京国際ブックフェア」は、世界20ヵ国から470社が出展する国際的な本のイベントです。会場内には、出版社をはじめ、本に関わる企業がブースを出していて、およそ100万冊の本が展示されています。展示されている本の多くは実際に販売もされていて、定価の20%オフなどの割引価格で購入することができます。

展示だけではなく、様々なイベントが開催されるのも「東京国際ブックフェア」の特長で、今年も著名な作家や文化人の先生方によるトークイベントが多数開催されていました。

今年は22冊の本を買ったという話
私は、開催初日の9月23日(金)と2日目の9月24日(土)に参加してきました。

東京国際ブックフェア」に参加する一番の楽しみは、やはり出展している出版社ブースで新刊本や在庫希少本が定価の20%オフで購入できることです。もちろん、ただ安く買うだけではなくて、各社ブースでは工夫を凝らした展示があったり、編集者や作家、タレントを招いてのトークイベントなども開催されるので、そちらを楽しみ参加された方もいると思います。今年は、お笑い芸人のロバートやタレントの壇蜜、SF作家の藤井太洋といった方々が出演していたようです。

さて、定価の20%オフで本が買えるとなれば、財布の紐が緩むのも致し方のないところ。ブックフェア終了後には、「なんでこんなに買ってしまったのか…」と反省するのが毎年の恒例行事となっているのですが、今年もやってしまいました。今年、2日間のブックフェア参加で購入した本は...

合計22冊!!!

購入した本のリストは本ブログの最後に紹介しますが、いやぁ〜買いましたわぁ〜(笑)

購入本の出版社内訳としましては、

となります。個人的に海外文学好きなので、そちら方面の出版社の本が多くなってますね。「いったい、いくら使ったんだ」という話については触れないでおこうと思います(笑)

乃木坂46と朝井リョウ
東京国際ブックフェア」では、作家や編集者など、本に関わるお仕事をされている方々によるトークイベントが大々的に行われます。上述した展示会場の各出版社ブースで行われるイベントとは違って、東京ビックサイトの大会議場やレセプションホールを利用したものです。

今年、私が参加したのは、

・「乃木坂活字部!」in 東京国際ブックフェア
  乃木坂46読書選抜メンバーが語る、女性アイドルと本のはなし
   出演:乃木坂46読書選抜メンバー(高山一実齋藤飛鳥中元日芽香
・「小説」がうまれるまで
  編集者が本作りにどうかかわるのか
   出演:浅井茉莉子(文藝春秋文芸出版局第二文藝部)、
   聞き手:西田善太(マガジンハウス)

・1度きりの人生にスパイスを!― 本が見せてくれる世界
   出演:朝井リョウ(作家) 聞き手:瀧井朝世(ライター)

の3本でした。

「『乃木坂活字部!』in東京国際ブックフェア」は、アイドルグループ乃木坂46メンバーの中でも、読書家として知られる3人が出演し、本に関する様々なトークを展開するイベント。こういう機会でないとアイドルを間近に見られることもないだろうというミーハーな気分で参加しました。あとで聞いたら、イベント申し込み開始から数時間で満員御礼になったそうで、私のような興味本位のミーハーのせいで、本当の乃木坂ファンでチケット入手できなかった方もおられるかもしれません。この場を借りてお詫びします。

さて、登壇したメンバーは、雑誌「ダ・ヴィンチ」で小説の連載もしているという高山一実さん、楽曲でセンターにも選ばれたという齋藤飛鳥さん、“ひめたん”なる愛称で親しまれているという中元日芽香さんの3人。いずれも本が大好きということで、お気に入りの作家や作品、本を読むときのシチュエーション、女性アイドル向けとしては定番の話題であろう「恋人にするならやはり読書家の男性?」といった話題を、事前のアンケートに基づいて司会者が話をフリ、そこからトークが盛り上がるという展開で進みました。

3人が好きな作家、オススメの本ですが、

・中元さんが最近読んだ本 村田沙耶香「コンビニ人間」
・斎藤さんの好きな作家  安部公房遠藤周作フランツ・カフカ
・高山さんの好きな作家  湊かなえ中村文則

といったラインナップ。中元さんは、特定の作家というよりは自分が興味をもった作品を中心にいろいろと読むタイプで、高山さんはどちらかというとエンタメ系の作品を好むようです。

話を聞いていて「へぇ〜」と思ったのは齋藤飛鳥さんの好きな作家、オススメの本。好きな作家のラインナップが渋い。彼女のファンには当たり前の話なのかもしれませんが、安部公房カフカといった不条理な世界観の作品を読むというイメージがなかったので、これは驚きでした。また、オススメ本としてあげたのがニコライ・ゴーゴリーの「外套」と「鼻」。作品の内容について語る斎藤さんの熱い口調に、他のメンバーも会場も思わず聞き入ってしまったほど。

会場に集った参加者の中には、彼女たち目当てで日頃はあまり本を読まないような人も多くいたと思いますが、斎藤さんの熱い語りに感化されてイベント帰りに書店でゴーゴリーを手に取った人もいるかもしれません。そういう意味で、社会的に影響力のある人が本について語るというのは、読書人口を拡大するのに大いに貢献しているのだろうと思います。

コンビニ人間

コンビニ人間

 
コンビニ人間 (文春e-book)

コンビニ人間 (文春e-book)

 
教団X (集英社文芸単行本)

教団X (集英社文芸単行本)

 
教団X

教団X

 
私の消滅

私の消滅

 

 

もうひとつ、作家・朝井リョウさんのトークイベント「1度きりの人生にスパイスを!― 本が見せてくれる世界」について。

桐島、部活やめるってよ」や「何者」、「世界地図の下書き」など、ベストセラーを連発している作家朝井リョウさんが登壇し、ライターの瀧井朝世さんが聞き手を務めたトークイベントは、軽妙で場馴れした朝井さんの喋りに会場が笑いに溢れた1時間でした。

約40分にわたって朝井さんの自己紹介(生い立ち、子どもの頃の話、本を読むきっかけと本を書くきっかけ、などなど)が展開されたわけですが、その中で紹介されたのが、朝井さんが小学生時代に作っていたという学級新聞。本人は“黒歴史”と語り、自分自身ではデータも保有していなかったという新聞を、ブックフェアのスタッフが大捜索した結果、当時の担任の先生が保管していたのを発見して、今回日の目を見ることになったというもの。朝井さん曰く「今回が最初で最後」と言っていたので、トークイベントの参加者だけの特典になりました。ただ、こうしたトークイベントに慣れた感じの朝井さんだけに、この学級新聞ネタはある意味でキラーコンテンツ。今後、別のイベントでもなんやかんやでネタにする可能性は高そうだな、という気がしてなりません。

 

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

 
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

 
何者(新潮文庫)

何者(新潮文庫)

 
何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

 
何様

何様

 
何様

何様

 

 

今年も楽しかった!
もう随分と前から出版不況と言われていて、「本が売れない」とか「街の書店が次々と閉店している」といったネガティブな話を多く耳にしていますし、それは現実の問題として間違いなく存在していると思います。それでも、毎年こうして本に関わるイベントが開催されて、3日間で約4万人の来場者が集まるという状況を見ると、「まだまだ本の未来は明るいんじゃないか」と思いますね。

何はともあれ、今年も楽しかったです。また来年も楽しもう!

p.s.
その前に、10月末から11月初旬には神保町ブックフェスティバルと古本まつりだ!

付録:私がブックフェアで購入した22冊の本

 

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