昨年(2016年)が没後100年だった夏目漱石は、今年(2017年)が生誕150年である。ちょっとややこしいが漱石に罪はない。
本書は、芥川賞作家の奥泉光と作家をはじめマルチに活躍するタレントのいとうせいこうのふたりが定期的に開催しているイベント『文芸漫談』の中から、夏目漱石の作品について語り合う回をピックアップしたものだ。取り上げられている漱石作品は以下の通り。
続きを読む和氣さんとは、私も登録している書評コミュニティサイト「本が好き!」の運営を担当していることもあり、ネット上はもちろん、リアルの世界でも何回かお会いしたことがある。その和氣さんから、「今度本を出すことになった」という話を聞いたのは、4月末にお会いしたときだったと記憶している。
あれからおよそ2ヶ月、待望の著書が刊行された。本書「東京わざわざ行きたい街の本屋さん」である。
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さて、みなさんに質問です。次の人物名を答えなさい。
Q1.舞踏会でシンデレラを見初め、姫として迎え入れた王子の名前は?
Q2.魔女によって高い塔に閉じ込められたラプンツェルを救い出した王子の名前は?
Q3.魔女の呪いで100年の眠りについた眠り姫を救い出した王子の名前は?
Q4.毒リンゴを食べて永遠の眠りについた白雪姫をキスで目覚めさせた王子の名前は?
「おとぎ話の王子に名前なんてあったのか?」と思ったみなさん。そりゃあ王子にだって名前はありますとも、だって人間だもの。しかししかし、彼らの本当の名前はおとぎ話の中にはでてきません。おとぎ話の世界では、彼らは十把一絡げに《王子》とだけ呼ばれています。そう、《プリンス・チャーミング》(魅力的な王子)とだけ、呼ばれているのです。
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本書の訳者である北村みちよさんとは、Twitterでちょいちょい会話させていただいている。そのご縁と、北村さんが作った「#翻訳者POP」に惹かれて本書を手に取った。
ありがたいことに、九州の図書館からご依頼いただき、 #翻訳者POP を作りました。POP作成にあたっては、「でんすけのかいぬし」さんのツイートを参考にさせていただきました。ありがとうございます。少しでも多くの方にストーリーテラーであるコリンズの魅力が伝わりますように。 pic.twitter.com/PFhqSbwzx8
— 北村みちよ🖇 (@KitaMicchon) 2017年3月22日
私が、ウィルキー・コリンズの作品でまず思い浮かべるのは「月長石」なのだが、実を言えば読んだことがない。読みかけたことはあるのだが、どうにも重厚長大で途中で挫折してしまった。
本書は、ウィルキー・コリンズの短編作品の中から、訳者の北村さんが選んだ5作品が収録されている。
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深夜に、人気もなく街灯もない道を走っていたら、ヘッドライトの先に突然若い女性の姿が浮かび上がる。慌ててブレーキを踏んで車を止めると、その女性が「道に迷ったので街まで乗せて欲しい」と言う。深夜の山道に置き去りにするわけにもいかず車に乗せる。なんとも陰気で薄気味悪い女性だ。しばらく車を走らせて、何気なくバックミラーを覗いてみると、そこには女性の姿が映っていない。慌てて車を止めて後部座席を確認してみると、シートはビショビショになっていた。
わりとよく聞く怪談ネタである。
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