先日、東京の「谷中」、「千駄木」、「根津」をブラブラする、いわゆる「谷根千散歩」に行ってきた。
谷根千を歩くにあたっては、「ランチは絶対ここ!」と決めていた店がある。それが、根津にあるさぬきうどんの店「根の津」だ。
何を隠そう(別に隠していないが)、私は無類の麺好きである。ラーメン、日本そば、そうめん、冷麦、スパゲティ、焼きそば、等々、毎日3食麺料理でも全然構わないくらいに好きなのだ。そこには、当然“うどん”も含まれる。
10年ほど前、四国に旅行して、本場のさぬきうどんをはじめて食べた。それまでに食べたうどんとは、明らかに違う美味しさに感動した。一時は真剣に「香川に住みたい」と考えたくらいだ。
しかし、当然ながら香川に移住するなどという話が実現されるはずもない。だが、東京にも本場のさぬきうどんを提供するお店は増えている。「はなまるうどん」や「丸亀製麺」といったメジャーチェーン店もあれば、さぬきうどんブームのきっかけを作ったとも言われる麺通団がプロデュースする「東京麺通団」(私のお気に入りの店だ)のような、“職人型セルフの店”もある。本の街・神保町にある「丸香」も連日行列のできる店だし、意外なところだと、池袋西武の屋上にある「かるかや」も侮れない。
そんな、東京のさぬきうどんの店で、評価が高い店のひとつが今回訪問した根津の「根の津」である。なにせ、あの麺通団の田尾団長が「そのまま香川に持ってきても、一般店のトップクラス」と絶賛する店なのだ。
これは、さぬきうどん好きとしては1度は行っておかなければ!と決意して早10年余り(笑)。ようやく念願かなっての訪問となった次第である。
行列に並ぶ覚悟でお昼すぎにお店に行ってみると、並んでいるのは2組3名のみ。あら意外。むしろ土曜日のお昼は混雑もそれほどでないのだろうか。それとも、以前よりも人気が落ちているのか。やや不安な感じもするが、しっかりと並ぶ。
15分ほど待って店内へ。一人客なのでカウンターに座る。注文は、温かいうどんと冷たいうどんの2種類を楽しめる「2種うどん」で、選択したのは、冷たいうどんはシンプルに「生醤油うどん」、温かいうどんは四国産のバラ海苔を炙ってのせた「焼きばらうどん」である。あ、それと生ビールね。
ビールをグイッとやっていると、やがてうどんが運ばれてきた。
どちらも見た目はシンプルだ。まずはうどんが伸びてしまわないうちにと温かい方からいただく。
最初に出汁をひとくち。やはり出汁は本場同様に昆布、いりこでとっているのだろう。魚介系のあっさりした味が美味しい。麺をすすってみると、出汁を吸って少し柔らかくなった噛み心地がなんとも優しい印象を受ける。
続いて冷たい生醤油うどん。添えられたすだちを軽く絞り、醤油を2周ほど回しかけてからいただいてみる。
「ウワッ、なんだこの麺は!?」
しっかりとした噛みごたえのある強しコシと、グンッと力強く伸びる感じのしなやかさ。温かいうどんの麺とは全然違う食感に、思わず箸が止まる。
「これは、今までに都内で食べたさぬきうどんの中では、ダントツに美味い」
それからは、一気に食べ進む。
あまりに一気に食べたので、温かいうどんで口の中をやけどしたくらいだ。慌てすぎである(笑)。
もちろん、温かい出汁もすべて飲み干して大満足。これで、870円というお値段は安いだろう。
温かいうどんと冷たいうどんを両方食べられる「二種うどん」というメニューも素晴らしい。確かに、うどんは温かいのも冷たいのも味わってみたい。でも、なかなか来られない店では、両方を頼むわけにもいかずに悩むことが多かった。その点、根の津の二種うどんは、1回で両方の食べ比べができるのが良い。
店の雰囲気も落ち着いているし、夜にはお酒のメニューも充実しているようだ。
次に訪れる機会がいつになるかわからないが、できるだけ早く再訪したいと思わせてくれたお店だった。このブログを書いていても、あの2種類の麺の食感が蘇ってきて、今、私はうどんが食べたくて仕方がないのである。
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