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【書評】海堂尊「ポーラースター ゲバラ覚醒」(文藝春秋)-全4部作になるという海堂尊版チェ・ゲバラ伝。第1弾は若かりしゲバラの南米縦断旅行記=モーターサイクル・ダイアリーズ

ポーラースター ゲバラ覚醒

ポーラースター ゲバラ覚醒

 

今年(2016年)、安倍首相がキューバを訪問したときに、90歳になるフィデル・カストロと面会したというニュースがあった。フィデルの健康状態は、はっきりとは伝えられていないようだが、外国の要人を迎えられる程度には元気なのだろう。

フィデル・カストロは、1959年にキューバ革命を主導した若者のひとりだ。そのフィデルとともに革命の中心にいたのが、チェ・ゲバラである。フィデルが、キューバ革命以降、社会主義国家としてのキューバの国家運営に専念してきたのに対して、ゲバラは革命家としてコンゴやボリビアでの革命に身を投じ、最後はボリビアで捉えられれて処刑され、その生涯を閉じた。享年は39歳である。

その革命家チェ・ゲバラの生涯を、「チーム・バチスタの栄光」などの医療ミステリー作家海堂尊が全4部にわたる長編として描くという。その第1弾が、本書「ポーラースター ゲバラ覚醒」である。

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