ダンジョンRPGの世界では、地下迷宮の奥深くに潜むお宝を目指して冒険者たちが危険に身を費やす。ダンジョンの奥深くまで冒険の足を伸ばせば、当然ながら食料の問題に行きつく。持ち運べる荷物の数には制限があり、冒険者たちは食料が不足するたびに、地上へ戻って食料を調達し、また地下へと潜る。
ダンジョン飯 2巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2015/08/12
- メディア: Kindle版
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ダンジョンRPGの食料問題にある解決の光を与えたのが、九井諒子「ダンジョン飯」だ。
「ダンジョン飯」では、ライオス、マルシル、チルチャック、センシのパーティが、地下迷宮の奥でドラゴンに飲まれたライオスの妹を救うために冒険を繰り広げる。彼らが食料としているのが、ダンジョン内に巣食うモンスター。つまり彼らは、襲い来るモンスターを退治し、それを食べるのである。
第2巻となる本書でも、ライオスたち一行は様々なダンジョン飯にありついている。
センシが、3体のゴーレムを畑にして育てた新鮮な野菜を食し。
コインや宝石に擬態した宝虫は、おやつへと変貌する。
大きな宝箱に潜む巨大なヤドカリのようなモンスターは、塩茹でにしてカニのように食べられる。
それでも、常に食料となるモンスターと対峙できるわけではない。保存食としていたバジリスクの塩漬けが切れ、わずかばかりの宝虫で空腹をつなぐライオスは、絵の中に飛び込んでそこに描かれているご馳走で腹を満たそうと考えたりする。(結果的には、“絵に描いた餅”であろ、空腹が満たされることはない)
第1巻のレビューで、「これほどにそそられないグルメマンガがあったか?」ということを書いたのだが、第2巻ともなると、読んでいる側としてもダンジョン飯に慣れてきたのか、食欲をそそられないどころか、「なんか美味そう。食べてみたい」とか思えるようになってきた。
う~ん、この感受性の変化は、まんまと九井諒子の世界観に絡め取られているのだろうか。でも、それがむしろ心地よかったりするのだが。