タカラ~ムの本棚

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「ジュディ・モードはごきげんななめ」メーガン・マクドナルド作、ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳/小峰書店-小学生のジュディと友だち、家族が繰り広げる元気で楽しい毎日!

 

 

『はじめての海外文学vol.5』で訳者の宮坂宏美さんが推薦している作品です。「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズの第1巻になります。

主人公のジュディ・モードは、小学3年生です。物語は、夏休みが終わって新学期がはじまるという朝の場面からはじまります。いきなりジュディは“ふきげんモード”です。学校がはじまったら、毎日髪をとかさなきゃいけないし、勉強もしなきゃいけないからです。それに、新学期の席替えでフランク・パールのとなりになったらサイアクです。

ジュディがなによりいやなのは、友だちみんなが夏休みに手に入れたイケてる文字入りの新しいTシャツを着てくること。ジュディには、そんなTシャツはありません。だから自分で無地のシャツに大きなサメの絵を描いて、「あたしはサメを食べた」と書きました。

といった感じでこの物語ははじまります。主人公が最初から不機嫌になっているのが面白いですね。ジュディは、とにかく気分屋さんで、機嫌が良くなったり悪くなったり忙しいです。でも、小学生くらいの子どものときって、だいたいみんなジュディみたいだったんじゃないかなと思います。ちょっと気に入らないことがあったりすると、“きぎげんモード”になってお父さんやお母さんを困らせたりして。

ジュディたちが作る「自己紹介コラージュ」というのも、面白そうで楽しそうな宿題です。絵や文字や写真を使って自分をみんなに紹介するコラージュ作品を作ってくるというもの。想像力をかきたてる宿題だと思います。「自分ってどんな人なの?」とか、「家族はどんな人?」とか、「お気に入りのペットは?」とか、自分や自分の周りのことをちゃんと見て、それをどうやってみんなに伝えるかを考えるのって、むずかしいけれどワクワクしちゃいます。自分ならどんな「自己紹介コラージュ」を作るかな、と考えるのも面白いです。

ジュディもあれこれと考えて「自己紹介コラージュ」を作りあげますが、最後に弟のスティンクのせいである事件が起きます。お父さんがリカバリーしようとがんばりますが、ジュディの「自己紹介コラージュ」は大変なことに! でも、そんなピンチをジュディは機転を利かせて乗り切ります。

この本は、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズのはじまりとなる作品です。これからジュディと友だち、家族のお話が続いていきます。これからジュディやスティンク、ロジャー、フランクはどんな物語をみせてくれるのか。楽しみになる作品でした。

あ、それと、メーガン・マクドナルドが書くおはなしも楽しいですが、ピーター・レイノルズが描く挿し絵がまたいいんです。最後にドーンと見開きで描かれるジュディの「自己紹介コラージュ」は圧巻です。