ちなみに、私の場合で言うと、自分は千葉県出身、両親がそれぞれ静岡県、福島県の出身なので、各県で何のおにぎりが握られているのかをまず見てみました。
千葉県のおにぎり:アサリのつくだ煮のおにぎり
静岡県のおにぎり:サクラエビのおにぎり
福島県のおにぎり:いかにんじんのおにぎり
それぞれの地域の特産品や郷土料理について、ある程度知っている私からすれば、「なるほど、そうきたか!」とニヤニヤしてしまうおにぎりなのですが、あまり知らない他の地域の方からすると「?」というおにぎりがありそうです。千葉のアサリや静岡のサクラエビは違和感ないでしょう。引っかかるのは福島のいかにんじんでしょうか。
いかにんじんは福島県の郷土料理です。私の家では毎年お正月に欠かせない料理として作っています。スルメとにんじんを細く切り、しょうゆ、みりん、日本酒で作った合わせ調味料に漬け込んだもので、数日漬け込んでスルメが柔らかくなった頃が食べごろです。ここに細切りの昆布を入れて粘りを出すと松前漬けになりますね。
いかにんじんを細かく切ってご飯に混ぜ込んでおにぎりにする、という発想はなかったのですが、味のよく染みたいかにんじんはとても美味しいですし、適度に歯応えの残ったスルメがいいアクセントになるので、おにぎりとしてもイケそうな気がします。
「なるほど、これが◯◯県のおにぎりか!」
「自分の故郷のおにぎりには、□□が使われていたけど、それじゃないよな~」
「あの地域ではこの食材が有名なのか!」
と、わが故郷のおにぎりに一喜一憂するも良し、行ったことない都道府県のおにぎりを見て味を想像して楽しむも良し、とても楽しめる写真絵本だと思います。そして何より、おにぎりが食べたくなる1冊です。