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ガタガタ書評ブログ

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

【書評】吉田覚「働かないふたり」(新潮社)-あぁ、憧れ?の働かなくても生きていける暮らし

できることならば、働かずに暮らしたい。でも、たいていの場合、働かなければ生活のためのお金を得ることができないから、多くの人は働くことを余儀なくされる。

働かないふたり 1巻

働かないふたり 1巻

 
働かないふたり 1 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 1 (BUNCH COMICS)

 

吉田覚「働かないふたり」に登場する石井兄妹は、ふたり揃って無職のニートである。

 

妹の春子は、対人恐怖症の引きこもりで誰かと会って会話したりすることができない。だから当然働くこともできない。兄の守は、普通に友だちもいるし、社交的といえなくもないが、やはり働こうというつもりはない。

本書は、そんな引きこもりニートの兄妹の日常を描いたギャグ漫画だ。兄妹は、毎日明け方までゲームに興じたり、映画をみたりして過ごす。腹が減れば夜食を作って食べる。少なくとも家の中で完結していることであれば、普通にこなすことができる。ただ、何事も兄の守が抜きん出ていて、妹の春子は基本的にダメ人間だ。

兄妹のうち、兄は無職であることを除けば、特に大きな問題を抱えているわけではなく、むしろ妹が対人恐怖症であることを要因として、怠惰で自堕落なダメ人間キャラクターに設定されているのが、現代的な印象を受けた。

この兄妹が、周囲の人々にいろいろな影響を与えているところも面白い。

兄妹の両親は、父親はこどもたちに甘く、母親はふたりが無職で引きこもりであることに頭を悩ませている。少なくとも、妹に対しては干渉的で、ファッションに口を出したり、料理を教え込もうとしたりと、花嫁修業的なチャレンジを繰り返すのだが、妹にとってそれは迷惑以外のなにものでもない。

そんな兄妹の日々の様子を覗くことで癒やされているのが、向かいのアパートに住む倉木さんで、彼女は兄妹への愛情が深まるあまり、彼らへの接近を試み、ついには兄妹と友人になってしまう。兄妹と遊びたいあまりに10万円以上かけて最新のゲームマシンとソフトを購入したり、ちょっとお高めのスイーツを差し入れしたりする。一歩間違えれば、いや間違わなくてもじゅうぶんにストーカーである。

石井兄妹のような引きこもりニートに対して憧れの感情を持つことはない。でも、一切働くことなくとも、ごく普通の生活が送れるのであれば、それに越したことはない。働かなくても生きていける暮らしが実現されるには、誰かが無償で養ってくれるとか、宝くじに当たるか、大富豪の遺産が転がり込んでくるとか、そういう外的な要因でもなければ、かなえられることもなさそうに思う。もしくは、生活の内容を一変して、現在の蓄えの範囲で生きられるようにするとか。

いずれにせよ、どのような形であれ生きるために働くという環境は、そう簡単には変えられそうもない。であるならば、せめて働きやすい環境を得るための努力を考えてみようと思っている。

 

働かないふたり 2巻

働かないふたり 2巻

 
働かないふたり 2 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 2 (BUNCH COMICS)

 
働かないふたり 3巻

働かないふたり 3巻

 
働かないふたり 3 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 3 (BUNCH COMICS)

 
働かないふたり 4巻

働かないふたり 4巻

 
働かないふたり 4 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 4 (BUNCH COMICS)

 
働かないふたり 5巻

働かないふたり 5巻

 
働かないふたり 5 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 5 (BUNCH COMICS)

 
働かないふたり 6巻

働かないふたり 6巻

 
働かないふたり 6 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 6 (BUNCH COMICS)

 
働かないふたり 7巻

働かないふたり 7巻

 
働かないふたり 7 (BUNCH COMICS)

働かないふたり 7 (BUNCH COMICS)