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ガタガタ書評ブログ

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

第153回芥川賞を予想してみよう!

芥川賞 直木賞

いよいよ今週の木曜7月16日に、第153回芥川賞直木賞の選考会が行われますね。巷の話題は、やはりピースの又吉直樹が「火花」で芥川賞を受賞できるのか? ってことなんでしょうね。

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さて、毎回芥川賞直木賞の候補作が発表になると、そのすべてを読んでみることにしています。もっとも、候補作が発表されてから図書館に予約を入れているので、作品の人気度にもよりますが、たいていは選考会までにすべてを読むことはできないのが現実です。

今回、第153回の各賞の候補作は次のようになっています。

●第153回芥川賞候補作
 内村薫風「MとΣ」新潮3月号
 島本理生「夏の裁断」文學界6月号
 高橋弘希「朝顔の日」新潮6月号
 滝口悠生「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」新潮5月号
 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」文學界3月号
 又吉直樹「火花」文學界2月号

●第153回直木賞候補作
 門井慶喜「東京帝大叡古教授」小学館
 馳星周アンタッチャブル毎日新聞出版
 澤田瞳子若冲文藝春秋
 西川美和「永い言い訳」文藝春秋
 東山彰良「流」講談社
 柚木麻子ナイルパーチの女子会」文藝春秋

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各6作の候補作のうち、これまでに私が読めたのは、

●第153回芥川賞候補作
 内村薫風「MとΣ」新潮3月号
 島本理生「夏の裁断」文學界6月号
 高橋弘希「朝顔の日」新潮6月号
 滝口悠生「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」新潮5月号
 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」文學界3月号
 又吉直樹「火花」文學界2月号

芥川賞候補全部と、

●第153回直木賞候補作
 西川美和「永い言い訳」文藝春秋
 東山彰良「流」講談社
 柚木麻子ナイルパーチの女子会」文藝春秋

直木賞候補3作品。残念ながら、直木賞候補の方は、3作が図書館の予約待ちで間に合いませんでした。

ということで、全候補作を読むことができた芥川賞について、受賞作の予想をしてみましょう!

まず、6作品に関して、私のオススメ度ランキングで言えば、

 1位 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」
 2位 高橋弘希「朝顔の日」
 3位 又吉直樹「火花」
 4位 島本理生「夏の裁断」
 5位 滝口悠生「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」
 6位 内村薫風「MとΣ」

となります。1位と2位が飛び抜けた感じで、又吉「火花」は次点。4位~6位はほぼ同列で順位には特に意味はない感じです。

なので、私の第153回芥川賞受賞予想は、

 【本命】羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」文學界3月号
 【対抗】高橋弘希「朝顔の日」新潮6月号

となります。

話題の又吉直樹「火花」ですが、他の候補作を読む前、まだ「火花」しか読んでいなかった段階では、「案外いけるんじゃないか?」とも思ったのですが、やはり他の作品、中でも、羽田圭介、高橋弘希の各作品を読んでしまうと、「火花」はちょっと物足りない印象を受けてしまいます。

「火花」は、作品として劣っているところはありません。著者の経験に基づくであろうストーリーは、当然ながらリアリティを感じさせますし、キャラクターの造形であったり、クライマックスの泣かせ処とか、読者を楽しませるポイントがしっかりと押さえられています。

実は、「火花」の欠点は、この「作品としての欠点がほとんどない」というところにあるのです。

今回の候補作で、私が読んで面白いと思った、羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」も高橋弘希「朝顔の日」も、“作品の欠点”という観点で言えば、それぞれに欠点があると思います。

ただ、“欠点”は“魅力”でもあって、欠点があるからこそ作品の面白さが増すということもあります。「スクラップ・アンド・ビルド」や「朝顔の日」が面白くて魅力的なのは、それぞれに欠点があるからだと思うのです。

欠点のない小説は、確かに読みやすくて万人受けするものです。「火花」も、あまり「嫌い」とか「読みにくい」という話は聞こえてこなくて、割と好意的に読まれています。でも、そこで留まってしまっているという印象も否めないんです。そこが、私としてはちょっと物足りないのです。

私が、又吉直樹「火花」の芥川賞受賞を自信を持って予想できないのは、この物足りなさにあります。

又吉直樹芥川賞を受賞すれば、芥川賞的には過去最大級の話題になるでしょう。毎回、芥川賞発表後にはマスコミもこぞって話題にしてきましたし、芥川賞を受賞したことで一躍脚光を浴びた作家も数多いです(綿矢りさ西村賢太田中慎弥といったところが最近のスターでしょうか)。でも、又吉直樹は、話題性が全然違います。だからこそ、授賞に関しては慎重になってほしいな、と思うのです。

又吉直樹芥川賞を受賞したとしても、それは別に意外ではないと思います。たぶん、あまり批判もでないでしょう。だけど、なんかちょっと違和感を感じるという、私のような読者もあるんじゃないでしょうか。

ということで、私としては又吉直樹ではなく、羽田圭介や高橋弘希に授賞してほしいなと希望するところなのです。

火花

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火花 (文春e-book)

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