タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

お好み焼きだけじゃない、広島グルメ満載の1冊。ワカコも出るよ!-新久千映「新久千映のまんぷく広島」

広島グルメといって思いつくもの。広島風お好み焼き、牡蠣、穴子、もみじまんじゅう。どれも全国的に知られた定番グルメで、今はわざわざ広島に行かなくても食べられる。でも、他にもきっと何か地元でしか味わえない美味しいものがあるんじゃないだろうか。

本書は、「ワカコ酒」で人気の広島在住のマンガ家新久千映が、地元広島の美味しいものを紹介するグルメガイドコミック。地元情報に詳しい編集者の川上佳代とともに、広島のオススメグルメを食べ歩く様子をコミック化している。

お好み焼き、牡蠣、穴子という定番はもちろん外していない。地元民なら食べ慣れているような定番料理にも、新たな発見があったり、お店の雰囲気や店主の人柄、店の歴史など、興味はつきることがない。

ホルモン料理が広島で流行っているのも意外な情報だ。中でもホルモンの天ぷらは、他の地域ではあまり見られない食べ方なのではないだろうか。

広島市内だけでなく、呉や宮島でのオススメグルメも捨てがたい。そして、何より興味をそそられたのは、うにクレソンだ。これは「ワカコ酒」の最新第4巻にも登場した料理。鉄板でサッと炒められたクレソンと濃厚なうにの合わせ技は、もはや反則に近いのではないかと思わせるほどの魅力で、メチャクチャ食べたくなってくる。

巻末には、「ワカコ酒出張編」も掲載されていて、いつものようにワカコが広島の居酒屋でひとりお酒を嗜み、美味い肴に舌鼓を打っている。お約束の「ぷしゅー」も出てくる。

東京近郊に住んでいると、全国の料理を扱った店がたくさんあって、わざわざ地元にいかずとも郷土の味を楽しむことができる。それは大変にありがたいことではあるけれど、地元には地元の楽しみ方があって、そういう雰囲気も含めて楽しむためには、やはりその土地に行って料理をいただかなくてはいけない。

「広島の料理を広島で」
いつか、久しぶりに広島へ旅をしてみたいと思わせる1冊だと思う。