タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

この気持を届けよう。深夜放送の電波に乗せて-さだまさし「ラストレター」

それでは、本日のラストレターをご紹介しましょう。千葉県にお住まいのペンネーム・タカラ~ムさんからのお葉書です。

ラストレター

ラストレター

 

寺ちゃん、こんばんは。

さだまさし「ラストレター」に描かれる「寺ちゃんのサタデー・ナイト・レター」は、さださんの伝説の深夜ラジオ「さだまさしのセイヤング」を学生時代に欠かさず聴いていたリスナーとして、すごく懐かしくて、でもどこか新しい素敵な番組です。

まっさんの、そうそうファンはみんな親しみを込めてさださんを「まっさん」と呼んでるんですよね。今どきは、「マッサン」と言えばNHKの朝ドラですが。

まっさんの「セイヤング」を土曜日の深夜に聴くのが、あの頃の週末の楽しみでした。リアルタイムにラジオを聴くだけではなく、わざわざカセットテープ(懐かしいですね!)に録音して、次の土曜日の放送までに何度も聞き返したりして。

あの頃の深夜放送は、「寺ちゃんのサタデー・ナイト・レター」のようにリスナーからの葉書で成り立っていました。「セイヤング」はもちろん、今でも続いているニッポン放送の「オールナイトニッポン」も、全国の葉書職人からたくさんの熱の入った葉書が届いていたといいます。実は、私もそんな葉書職人でした。いや、職人というのはおこがましいですね、でも1回だけまっさんの「セイヤング」で採用されたこともあるんですよ。

ラジオって、最近ほとんど聴かなくなりました。あの頃、あんなに夢中になっていたはずなのに。今では、リアルタイムでラジオを聴くことはなく、たまにPodcastで配信される番組を聴くぐらいです。

「ラジオがつまらなくなったから」そういう理由で聴かなくなった人もいるでしょう。

「ラジオの他にもたくさん楽しいものがある」確かにそうですね。テレビ、インターネット、ゲーム。世の中はたくさんの娯楽であふれています。選択の幅は無限と言っていいくらいに広がっています。

でも今回、さだまさし「ラストレター」を読んで、寺ちゃんが、大越さんが、ハッピー鈴木さんが、放送作家の内田さん、安部さんが、駒井さんが、小牧姐さんが、ちょい都のマスターや時子さんが、「サタデー・ナイト・レター」に期待し、盛り上げ、みんなでひとつの番組を築き上げていく姿が、私に中で忘れかけていた情熱や希望をもう一度見直させてくれたように思うのです。

昭和テイストのラジオをもう一度。それは、単なるノスタルジックな感傷だけではない、新しい何かが詰まっていた。「ラストレター」でまっさんが読者に語りかけたかったことは、懐古主義ではなく温故知新ということなのかもしれません。

最後になりましたが、「サタデー・ナイト・レター」を放送してくれて本当にありがとう。そして、こんな素敵な「ラストレター」を私たちに届けてくれたまっさんことさだまさしさん。いつの日かまた、あなたの「セイヤング」が放送される日が来ることを、私たちまっさんファンのリスナーは待ち続けています。