タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

【書評】隆慶一郎「影武者徳川家康(隆慶一郎全集2~5)」(新潮社)-関ヶ原の合戦で徳川家康は死んでいた。その後の人生を徳川家康として生きるとになった影武者の壮絶な戦いと生き様を描く

今年(2016年)の大河ドラマ三谷幸喜脚本による「真田丸」が放送されている。先日(9月4日)の放送では、真田昌幸、信之、信繁の親子が、豊臣方に与する昌幸、信繁と徳川方に与する信之とに袂を分かつことになった「犬伏の別れ」の場面が描かれた。

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犬伏の別れで豊臣方と徳川方に分かれた真田親子は、その後の天下分け目の戦いにおいて東軍(徳川)と西軍(石田)として重要な役割を果たしていくことになる。昌幸・信繁に率いられた真田軍は、上田城攻略を狙った徳川秀忠軍を迎え撃ち、少数精鋭の真田軍に手こずった秀忠軍は結果として父家康の待つ関ヶ原に遅参するという失態を演じることになる。このことが、家康と秀忠の関係を悪化させたとされている。

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