ガタガタ書評ブログ

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

いとうせいこうX奥泉光「漱石漫談」(河出書房新社)-祝・生誕150周年!芥川賞作家とマルチタレントが夏目漱石作品の魅力を語り尽くす

漱石漫談 作者: いとうせいこう,奥泉光,施川ユウキ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/04/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 漱石漫談 作者: いとうせいこう,奥泉光 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/05/26 メデ…

和氣正幸「東京わざわざ行きたい街の本屋さん」(G.B.)-「こんなお店があるんだ!」と驚き、紹介されているすべてのお店を訪ね歩きたくなる。本屋好きが作った本屋好きのためのガイドブック

www.honzuki.jp 和氣さんとは、私も登録している書評コミュニティサイト「本が好き!」の運営を担当していることもあり、ネット上はもちろん、リアルの世界でも何回かお会いしたことがある。その和氣さんから、「今度本を出すことになった」という話を聞いた…

クリストファー・ヒーリー/石飛千尋訳「プリンス同盟~プリンス・チャーミングと呼ばれた王子たち」(集英社)-王子(おとこ)はつらいよ!名も知られぬ王子たちの悪戦苦闘に抱腹絶倒!?

プリンス同盟 プリンス・チャーミングと呼ばれた王子たち 作者: クリストファー・ヒーリー,石飛千尋 出版社/メーカー: ホーム社 発売日: 2016/04/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る さて、みなさんに質問です。次の人…

智佳子サガン「銀の画鋲~この世の果ての本屋と黒猫リュシアン」(書肆侃侃房)- #書肆侃侃房15周年 ここではないどこかの島にひっそりとある古本屋には老人と黒猫が住んでいました

銀の画鋲: この世の果ての本屋と黒猫リュシアン 作者: 智佳子サガン 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2013/12/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 銀の画鋲: ?この世の果ての本屋と黒猫リュシアン? 作者: 智佳子サガン 出版社/メーカー: …

ウィルキー・コリンズ/北村みちよ訳「ウィルキー・コリンズ短編選集」(彩流社)-「月長石」で《探偵小説の父》と呼ばれる英国ヴィクトリア朝時代の作家によるミステリアスでユーモラス、そしてハートフルな5つの物語

ウィルキー・コリンズ短編選集 作者: ウィルキー・コリンズ,北村みちよ 出版社/メーカー: 彩流社 発売日: 2016/02/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本書の訳者である北村みちよさんとは、Twitterでちょいちょい会話させていただいている。そ…

スーザン・プライス/金原瑞人訳「ゴースト・ドラム」(サウザンブックス)-雪と氷の世界を舞台に、残虐非道な皇帝、さらに極悪な女帝、高い塔に幽閉された皇子、そして魔法使いによって繰り広げられる物語。約26年ぶりの新訳。

ゴーストドラム 作者: スーザン・プライス,金原瑞人 出版社/メーカー: サウザンブックス社 発売日: 2017/05/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る ファンタジー小説をあまり読みつけていないので、本書の魅力がどのくらい理解で…

キャンデス・フレミング/三辺律子訳「ぼくが死んだ日」(東京創元社)-ちょっとだけ怖いけど、悲しくて、そして切ないゴーストストーリー

ぼくが死んだ日 (創元推理文庫) 作者: キャンデス・フレミング 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2017/03/21 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ぼくが死んだ日 (創元推理文庫) 作者: キャンデス・フレミング,三辺律子 出版社/メーカー: 東…

西崎憲他「ヒドゥン・オーサーズ」(惑星と口笛ブックス)-“Hidden”(隠れた=まだ見ぬ)作家たち。新しい才能の発見が楽しい作品集

ヒドゥン・オーサーズ Hidden Authors (惑星と口笛ブックス) 作者: 相川英輔、大滝瓶太、大原鮎美、大前粟生、岡田幸生、小川楓子、斎藤見咲子、杉山モナミ、谷川由里子、谷雄介、照子、西崎憲、野村日魚子、ノリ・ケンゾウ、伴名練、深沢レナ、深堀骨、みみ…

ニコルソン・ベイカー/岸本佐知子訳「もしもし」(白水社)-男と女の会話のみで構成されるストーリー。洒脱な表現で描き出される変態同士の電話越しのアヴァンチュール

もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑) 作者: ニコルソンベイカー,Nicholson Baker,岸本佐知子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 1996/08 メディア: 新書 購入: 3人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (28件) を見る 前回レビューした「ノリーのおわら…

ニコルソン・ベイカー/岸本佐知子訳「ノリーのおわらない物語」(白水社)-子どもの想像力、子どもの行動力がたっぷりつまった愛情いっぱいの物語

ノリーのおわらない物語 (白水uブックス) 作者: ニコルソンベイカー,Nicholson Baker,岸本佐知子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2008/09 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (21件) を見る エレノア・ウィンスロウ(ノリー)…

アーサー・ビナード「知らなかった、ぼくらの戦争」(小学館)-この国がこの先いつまでも《戦後》である続けるために、私たちは何をすべきだろうか

知らなかった、ぼくらの戦争 作者: アーサービナード,Arthur Binard 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/03/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 今年2017年は、戦後72年にあたる。1945年に太平洋戦争が終戦して以降、日本は戦争を起…

パク・ミンギュ/斎藤真理子訳「ピンポン」(白水社)-いじめられっ子の二人の少年《釘とモアイ》。「あちゃー」なふたりがピンポンに出会った時、人類の運命は彼らにゆだねられる!

ピンポン (エクス・リブリス) 作者: パク・ミンギュ,斎藤真理子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2017/05/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 第1回日本翻訳大賞を受賞したパク・ミンギュ「カステラ」を読んだときの衝撃が再び。「ピン…

ポール・トーディ/小竹由美子訳「ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン」(白水社)-『私の身体はワインでできているの』ではないけれど、ウィルバーフォース氏にはワインしか見えていない

ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス) 作者: ポールトーディ,小竹由美子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2010/08/17 メディア: 単行本 クリック: 36回 この商品を含むブログ (12件) を見る お酒に関しての蘊蓄を語る人は多い。…

犬猫みなしご救援隊/金子二三夫写真「鼓動~感じて欲しい小さな命の重み。」(書肆侃侃房)-この本の発行日は2012年3月11日。その日から5年、震災から6年が過ぎた今、救援隊の活動はまだ続いています。

鼓動 ―感じて欲しい小さな命の重み。 作者: 犬猫みなしご救援隊,写真/金子二三夫 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2012/03/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回 この商品を含むブログ (1件) を見る まず最初に注意しておいた方がいいだ…

エドワード・ケアリー/古屋美登里訳「穢れの町~アイアマンガー三部作(2)」(東京創元社)-「堆塵館」の驚愕のラストを読んだときから続きが気になって仕方なかった!「アイアマンガー三部作」待望の第2巻をひと足先に読んだ!すごかった!

穢れの町 (アイアマンガー三部作2) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2017/05/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「待ってました!」前作「堆塵館」を読んだ方なら絶対にそう思っているはず…

温又柔「来福の家」(白水社)-どこにでもある恋人たちの風景や家族の風景。でも、そこには大きく横たわる《台湾》が存在していた。

来福の家 (白水Uブックス) 作者: 温又柔 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2016/09/22 メディア: 新書 この商品を含むブログ (6件) を見る 縁珠と麦生は恋人同士。大学の中国語クラスで出会った。どこにでもいる普通のカップルだ。 温又柔「来福の家」には、…

「KanKanPress ほんのひとさじvol.5~特集まどろみ」(書肆侃侃房)- #書肆侃侃房15周年 『PR誌』と侮るなかれ。充実の内容は読み応え満点!

KanKanPress ほんのひとさじ vol.5 作者: 書肆侃侃房 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2017/03/15 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 書肆侃侃房15周年記念プレゼント企画に当選して5冊の本をいただいた。 送られてきた中に小冊子が1部同…

【イベント】第三回日本翻訳大賞授賞式に行ってきました!(遅ればせの参加レポート)

『翻訳者に光を!』ということで2014年に企画がスタートした「日本翻訳大賞」も今回で第三回となったのですね。今回は、最終選考候補作品にはじめてヤングアダルト作品が選ばれたり、大賞受賞作に英語圏からの翻訳作品が選ばれたりとこれまでとは違うところ…

カレン・ジョイ・ファウラー/矢倉尚子訳「私たちが姉妹だったころ」(白水社)-両親と兄と双子の姉。でも、ローズマリーの家族はありふれた普通の家族ではなかった

私たちが姉妹だったころ 作者: カレン・ジョイ・ファウラー,矢倉尚子 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2017/01/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『訳者あとがき』から引用する。 本を読み始める前に「あとがき」をぱらぱらめくってみる癖の…

村田沙耶香「きれいなシワの作り方~淑女の思春期病」(マガジンハウス)-芥川賞作家がこじらせた大人の女性の思春期病。でも、それこそが作家の創作の原点なのかもしれない

きれいなシワの作り方~淑女の思春期病 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: マガジンハウス 発売日: 2015/09/17 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る きれいなシワの作り方?淑女の思春期病 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: マガ…

フラワーしげる「ビットとデジベル」(書肆侃侃房)-#書肆侃侃房15周年 はじめて「歌集」というものを読んだ。短歌とはけっこう自由なものだと知った。

ビットとデシベル 現代歌人シリーズ 作者: フラワーしげる 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2016/01/27 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ビットとデシベル (現代歌人シリーズ) 作者: フラワーしげる 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日…

ジェイムス・クリュス/森川弘子訳「笑いを売った少年」(未知谷)-世界が不穏な方向に向かっていると感じられる今、「笑うことができる」という幸せの意味を改めて考えてみたいと思う

笑いを売った少年 作者: ジェイムスクリュス,James Kr¨uss,森川弘子 出版社/メーカー: 未知谷 発売日: 2004/03 メディア: 単行本 クリック: 27回 この商品を含むブログ (8件) を見る 子どもの笑い声は、周りを明るく元気にさせてくれる魔力を持っている。 ジ…

ウィル・ワイルズ/茂木健訳「時間のないホテル」(東京創元社)-閉ざされ、歪められた空間で狂気と正義がせめぎ合うエンターテインメント

時間のないホテル (創元海外SF叢書) 作者: ウィル・ワイルズ 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2017/03/21 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 時間のないホテル (創元海外SF叢書) 作者: ウィル・ワイルズ,若島正,茂木健 出版社/メ…

大野木寛「乳房をふくませる」(だだしこ出版)−表紙にだまされないで!読めば分かる。「これは傑作だ!」と。

bookwalker.jp 筍の美味しい季節になりましたね。この時期になると、ご近所さんだったり親戚だったりけっこういろいろなところから採れたての筍をいただくことがあります。食べられるようにするまでの下処理が大変ですが、筍ごはんに煮物に天ぷら、細切りに…

小川洋子、今村夏子、星野智幸他「文学ムック たべるのがおそいVol.3」(書肆侃侃房)-待望の第3号!今回の特集は、漱石、鏡花、白秋を3人の注目作家が《Retold》します。

文学ムック たべるのがおそい vol.3 作者: 小川洋子,倉田タカシ,最果タヒ,高原英理,今村夏子,西崎憲,星野智幸,山尾悠子,井上法子,竹中優子,永井祐,花山周子,杉本一文,藤原義也,セサル・アイラ,黄崇凱,相川英輔,ノリ・ケンゾウ,柳原孝敦,天野健太郎 出版社/メ…

エドゥアルド・ハルフォン/松本健二訳「ポーランドのボクサー」(白水社)-祖父の左腕に刺青された『69752』の数字が意味する過去の物語。そして、今を生きる著者自身の物語。

ポーランドのボクサー (エクス・リブリス) 作者: エドゥアルド・ハルフォン,松本健二 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2016/05/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 69752。これはわしの電話番号だ。そこに、つまり左の手首と肘のあいだ…

ジョージ・オーウェル/山形浩生訳「動物農場」(早川書房)-1940年代に書かれたこの作品が、そのまま今の世界への批判になっている怖さ

動物農場〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,水戸部功,山形浩生 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/01/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任してから、彼の国では…

今村夏子「あひる」(書肆侃侃房)- #書肆侃侃房15周年 一見すると牧歌的な作品の中から立ち上がってくる不穏さ

あひる 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2016/12/14 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る あひる 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 書肆侃侃房 発売日: 2016/11/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 表題…

【書評】ステファン・グラビンスキ/芝田文乃訳「狂気の巡礼」(国書刊行会)−暗闇の中で内と外の境界面を歩いているような気分になる

狂気の巡礼 作者: ステファン・グラビンスキ,芝田文乃 出版社/メーカー: 国書刊行会 発売日: 2016/09/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 第三回日本翻訳大賞の最終選考作品6作に残った中から、今回読んだのはステファン・グラビンスキ…

【書評】スティーヴン・ローリー/越前敏弥訳「おやすみ、リリー」(ハーパー・コリンズ・ジャパン)-読んでいてこんなに辛かった本は初めてだった。でも、こんなに愛おしくなった本も初めてだった。

おやすみ、リリー 作者: スティーヴン・ローリー,越前敏弥 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン 発売日: 2017/04/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 《まえがき》このレビューは、ハーバー・コリンズ・ジャパンの読者モニター募集に…