タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

時代小説

【書評】隆慶一郎「影武者徳川家康(隆慶一郎全集2~5)」(新潮社)-関ヶ原の合戦で徳川家康は死んでいた。その後の人生を徳川家康として生きるとになった影武者の壮絶な戦いと生き様を描く

今年(2016年)の大河ドラマは三谷幸喜脚本による「真田丸」が放送されている。先日(9月4日)の放送では、真田昌幸、信之、信繁の親子が、豊臣方に与する昌幸、信繁と徳川方に与する信之とに袂を分かつことになった「犬伏の別れ」の場面が描かれた。 www.nh…

【書評】隆慶一郎「隆慶一郎全集6 鬼麿斬人剣」(新潮社)-不世出の名人と謳われた師匠・清麿が遺した不名誉な駄物を折り捨てる旅をする鬼麿の豪放磊落さが本書の最大の魅力であろう

鬼麿は庭で太刀を振っていた。十二年前の天保十三年(一八四二年)冬、鬼麿が初めて向う槌をとって師匠とともに鍛え上げた太刀だ。刃長三尺二寸五分、南北朝風の大太刀である。一般の大太刀の長さ(定寸)は二尺三寸だから異常ともいえる刃長である。身幅も…

【書評】隆慶一郎「隆慶一郎全集7 かくれさと苦界行」(新潮社)-吉原vs.裏柳生、神君御免状を巡って繰り広げられる対立の決着はいかに?

デビュー作でもある前作「吉原御免状」の翌年に発表された続編が本書「かくれさと苦界行」である。 隆慶一郎全集第七巻 かくれさと苦界行 (第4回/全19巻) 作者: 隆慶一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/12/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ…

【書評】隆慶一郎「隆慶一郎全集1 吉原御免状」(新潮社)ー時代小説に偉大な爪痕を残し、短い作家人生を駆け抜けた隆慶一郎氏のデビュー作

時代小説を面白くするのはケレン味であると個人的に思っている。 隆慶一郎全集第一巻 吉原御免状 作者: 隆慶一郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/09/12 メディア: 単行本 クリック: 13回 この商品を含むブログ (8件) を見る