タカラ~ムの本棚

読んだ本の感想などをボチボチと綴るブログ

マンガ

西島大介「アオザイ通信完全版 #1~食と文化」(双子のライオン堂)-ベトナムを描くエッセイマンガ。なのに第1回のタイトルは『ベトナムには行ったことがない』って?

アオザイ通信完全版〈1〉食と文化 posted with ヨメレバ 西島 大介 双子のライオン堂 2017-11-30 Amazonで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 昨年11月に開催された『第二十五回文学フリマ東京』で先行販売された西島大介「アオザイ通信完全版#1~…

ちばかおり「ハイジが生まれた日~テレビアニメの金字塔を築いた人々」(岩波書店)-日本のアニメが世界のトップを走る原点がここにある。しかし、その代償も大きいと感じた。

ハイジが生まれた日――テレビアニメの金字塔を築いた人々 posted with ヨメレバ ちば かおり 岩波書店 2017-01-27 Amazonで購入 楽天ブックスで購入 hontoで購入 e-honで購入 図書館で探す 以前、テレビで海外の方々に「日本が好きか、嫌いか」をインタビュー…

おざわゆき「あとかたの街(全5巻)」(講談社)-戦争末期、日本全土を火の海にした米軍の空襲で名古屋の街も灰燼と化した。これは、名古屋大空襲を生き抜いた著者の母の記録です。

あとかたの街 コミック 1-5巻セット (KCデラックス BE LOVE) 作者: おざわゆき 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/11/13 メディア: コミック この商品を含むブログを見る [まとめ買い] あとかたの街(BE・LOVEコミックス) 作者: おざわゆき メディア: K…

【書評】こうの史代「この世界の片隅に(全3巻)」(双葉社)-昔、戦争がありました。たくさんの人が亡くなりました。今、私たちは「この世界の片隅に」生きています

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス) 作者: こうの史代 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2008/01/12 メディア: コミック 購入: 23人 クリック: 507回 この商品を含むブログ (283件) を見る この世界の片隅に 中 (アクションコミックス) 作者: こう…

【書評】施川ユウキ「バーナード嬢曰く。(3)」(一迅社)-まさかのアニメ化で注目の「ド嬢と仲間たち」は今回も図書館で読書談義に花を咲かせる

バーナード嬢曰く。 3 (IDコミックス REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2016/10/27 メディア: コミック この商品を含むブログ (2件) を見る バーナード嬢曰く。: 3 (REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅…

【書評】布川郁司「『おそ松さん』の企画術-ヒットの秘密を解き明かす」(集英社)-人気アニメを仕掛けたプロデューサーによるヒット企画を生み出す方法論

「おそ松さん」の企画術 ヒットの秘密を解き明かす 作者: 布川郁司 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/07/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 2015年10月から2016年3月まで、最近では珍しく半年にわたって放送され…

【書評】吉田覚「働かないふたり」(新潮社)-あぁ、憧れ?の働かなくても生きていける暮らし

できることならば、働かずに暮らしたい。でも、たいていの場合、働かなければ生活のためのお金を得ることができないから、多くの人は働くことを余儀なくされる。 働かないふたり 1巻 作者: 吉田覚 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/12/12 メディア: Kin…

【書評】阿部潤「忘却のサチコ」(小学館)-美味い食べ物はすべてを忘れさせてくれる

強いストレスを感じたり、どうしようもなく辛いことがあったり、激しく後悔したくなるような失敗をしてしまったとき、そのすべてを忘れてしまいたいと思ったことがある。 忘却のサチコ(1) (ビッグコミックス) 作者: 阿部潤 出版社/メーカー: 小学館 発売…

【書評】安堂友子「日本文学(墓)全集 時どきスイーツ」(ぶんか社)-文豪の墓を巡り、ちょっと寄り道してスイーツを楽しむためのコミックエッセイ

《ハカマイラー》なる言葉があるのを初めて知った。漢字混じりで書くと《墓マイラー》である。 日本文学(墓)全集 時どきスイーツ 作者: 安堂友子 出版社/メーカー: ぶんか社 発売日: 2015/03/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 日本文学(墓)…

【書評】都甲幸治他「きっとあなたは、あの本が好き。~連想でつながる読書ガイド」(立東舎)-大好きな本について語り合うことの楽しさ

今、読書会がちょっとしたブームになっているらしい。本が大好きな人たちが集まって、ひとつの本について語り合ったり、テーマにそって話し合ったりするのだそうだ。うん、それは楽しそう。 オフラインでの読書会に限らず、ツイッター上でのやりとりや、「読…

大月悠祐子「ど根性ガエルの娘」(KADOKAWA)-アイディアに行き詰まって失踪するのは漫画家の宿命なのか?

漫画家って、創作に行き詰まると失踪するものなのだろうか? 大月悠祐子「ど根性ガエルの娘」を読んでの第一印象はそのことだった。 ど根性ガエルの娘 (1) 作者: 大月悠祐子 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 発売日: 2015/11/26 メデ…

実際の現場を体験したからこそのリアルには、誰もかなわないのだということ-竜田一人「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」

2015年9月5日、福島第一原子力発電所から半径20キロ圏内の南に位置する福島県双葉郡楢葉町に出されていた避難指示が、正式に解除された。これにより、楢葉町の住民は4年半振りにそれぞれの自宅に帰ることを許された。 福島第一原子力発電所(いちえふ)が未…

腹が減っては深く潜れぬ!モンスターで腹を満たせ!-九井諒子「ダンジョン飯(2)」

ダンジョンRPGの世界では、地下迷宮の奥深くに潜むお宝を目指して冒険者たちが危険に身を費やす。ダンジョンの奥深くまで冒険の足を伸ばせば、当然ながら食料の問題に行きつく。持ち運べる荷物の数には制限があり、冒険者たちは食料が不足するたびに、地上へ…

読んでないけど読んだつもりで語る騙れ!それがド嬢の読書道(?)-施川ユウキ「バーナード嬢曰く2」

本なんてまともに読んじゃいないけど、読んだふりだけしていたい。そんな《なんちゃって》読書家バーナード嬢こと町田さわ子が帰ってきた。 バーナード嬢曰く。 2 (IDコミックス REXコミックス) 作者: 施川ユウキ 出版社/メーカー: 一迅社 発売日: 2015/07/2…

君は深夜の《飯テロ》に立ち向かえるか!?-久住昌之(原作)・谷口ジロー(絵)「孤独のグルメ2」

《飯テロ》なる言葉があります。主に(というかほぼ)ネット上で見かける言葉です。特に、深夜の時間帯になると発生し、各所でパニックを誘発します。 《飯テロ》とは、TwitterやFacebook等のSNSメディアやテレビ等の映像メディアにおいて、美味しそうな料理…

謎の奇病モンモウ病に侵された医師の復讐譚であり、医学界の暗部を鋭く抉る社会派問題作でもある-手塚治虫「きりひと讃歌(全4巻)」

※本レビューは、作品の結末をネタバレしています。以下をお読みになる場合は、その点を十分にご考慮ください。 手塚治虫といえば、日本のマンガ、アニメの先駆者であり巨匠。現在、世界に誇る日本の代表的文化・芸術となったマンガやアニメに関するすべての…

嗚呼、憧れの定年スローライフ-久住昌之・原作/土山しげる・画「漫画版・野武士のグルメ2」

ちょっと変わっているかもしれないが、早く定年になって引退したいと考えている。 漫画版 野武士のグルメ 2nd 作者: 久住昌之,土山しげる 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2015/03/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (6件) を見る 漫画版 野武士の…

自分にとっての「師」とは、と考えた時に胸がグッと熱く震えた-東村アキコ「かくかくしかじか」

「恩師」と呼べる人はいますか? 長い人生の中で、生きていくための道標を示したくれた人 未来を見失って迷っている時に手を差し伸べてくれた人 誤りを正し、真剣に叱ってくれた人 ただただ、優しく見守って、安心を与えてくれた人 かくかくしかじか コミッ…