鬼麿は庭で太刀を振っていた。十二年前の天保十三年(一八四二年)冬、鬼麿が初めて向う槌をとって師匠とともに鍛え上げた太刀だ。刃長三尺二寸五分、南北朝風の大太刀である。一般の大太刀の長さ(定寸)は二尺三寸だから異常ともいえる刃長である。身幅も…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。